世界で最も眠れていない日本女性を襲うリスク

ただ「疲れがたまる」だけでは済まない

アメリカでの100万人規模の疫学調査では、睡眠時間が短いと太りやすいということも判明しました。睡眠時間に反比例して肥満度が上昇しているのです。

男性もその傾向はありますが、とくに女性に顕著。まだレプチンやグレリンのことがわかっていなかったころの調査ですが、睡眠不足は摂食行動につながりやすいことが如実にわかります。

眠りすぎもダイエットにはよくない

では、たくさん眠っていれば肥満にならないのか。そうであれば、“睡眠ダイエット”なるものが可能になりそうですが、この調査結果では標準よりも睡眠時間が長い人にも肥満傾向が出ましたから、眠らないのもよくないけれど、眠りすぎもよろしくない、ということになります。

不眠と2型糖尿病の関係は明らかですが、不眠があるとなぜ糖尿病が発生するのか。その機序はまだ明らかではありません。

これに関して、徳島大学統合生理学教室の近久幸子講師、勢井宏義教授らが私たちスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)と共同で行った興味深い実験結果があります。

慢性不眠の動物モデルは、急性モデルに比べ、その妥当性に疑問がつくものが多かったのです。そこで近久講師らは、マウスの飼育ケージの床に市販の金網を敷くことでマウスに緊張を与え、長く持続する不眠モデルを開発しました。

このモデルで3週間飼育を行うと、耐糖能の異常が出現し、脂肪細胞での炎症所見も見出されました。このモデルは、不眠における糖尿病の発症機序の解明に役立つのではと注目されています。今後の実験成果に期待したいと思います。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。