世界で最も眠れていない日本女性を襲うリスク ただ「疲れがたまる」だけでは済まない
最近よく“イクメン”が話題になりますが、日本でもようやく家庭内での家事や育児分担が進んできた兆しだと捉えたいと思います。
エストロゲン、プロゲステロンなどの性ホルモンも睡眠調節に多大な影響を与えます。女性は、生理、妊娠、出産、更年期と、生涯を通じて、体温や性ホルモンの変動とたえず向き合っています。したがって、日本ではとくに、女性をいたわり、いたわられる社会にする必要があります。
女性を不安にさせるようなデータを示しましたが、安心させるデータもあります。不適切な睡眠時間は、肥満率だけでなく、死亡率をも増加させますが、男性では40代からその傾向が顕著になるのに対し、女性は強く、70代になり初めてその傾向が顕著になります。こういった男女の差が平均寿命にも反映されているのでしょう。したがって働き盛りのお父さんも、いたわり、いたわられる必要があります。
美容やアンチエイジングという観点からも、睡眠への関心が高い人が多く、その大切さを、たぶん男性以上にわかっているのが女性。睡眠への意識はけっして低くはないでしょう。だからこそ、女性がもっと眠れる社会になればと私は思うのです。
睡眠不足はあなたの印象を変えかねない
ノーベル生理学・医学賞の選考委員会が置かれていることでも有名な、スウェーデンのカロリンスカ研究所で、2017年に発表されたある研究報告があります。
男女合わせて25人の被験者に、ふた晩続けて4時間しか眠らないという睡眠制限をかけ、彼ら彼女らの写真を撮って100人以上の人たちに見せたところ、「健康的でない」「眠たそう」といった評価のほかに、「魅力的でない」「付き合いたいと思えない」といったマイナス評価がなされたというのです。
ひと昔前だったら「それがまっとうな医学研究か」と非難されかねないようなテーマですが、大真面目に取り組んだ研究です。
睡眠不足は、その人の印象をそのくらい大きく左右する、ということです。面接、プレゼン、営業、そのほかさまざまな新しい出会いがあります。相手が面と向かって「睡眠不足でつらそうですね」とか「お疲れみたいですね」と口に出すことはないでしょうが、みんな感じとっているのです。そして、そんな姿を、けっしてポジティヴな印象で受けとめてくれてはいない。「あまり関わりたくない人」と思っているのです。
寝不足は、あなたという人物の印象を著しく下げてしまう大きなマイナス要因であることを自覚したほうがよさそうです。
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