しかしながら、30代後半にもなると、生活圏内の同年代に既婚者が増えていく。ゆえに結婚の対象となる相手の人数は年々減っていく。身近なところで恋愛し、結婚相手を見つけることがだんだん難しくなっていくのだ。
そこで、結婚をするための活動、“婚活”をするのだ。
そんな説明をすると、米川は言った。
「ただ、これまで恋愛をしてこなかった私は、具体的にどんなふうに婚活をしたらいいのか、さっぱりわからない。だから、ここに来るにも勇気を振り絞らないと来れなかった」
米川のこの言葉は、“恋愛未経験イコール今の年齢”である人たちから、これまでも何度か聞いてきた。また、私は仲人という仕事を始めてみて、世の中にまったく恋愛をせずに年を重ねている人たちがとても多いことにも驚かされていた。
恋愛経験が豊富ならば、どんなに恋愛候補者が少なくとも、心ときめく人に出会ったら、ピンポイントでアプローチをするだろう。
ところが、恋愛経験がない人は、出会ったとしてもそこからどう動いていったらいいのか、そのやり方がわからないのだ。
41歳が、失われた時間を取り戻す方法
私は、米川に言った。
「結婚相談所において41歳というのは、十分に相手が見つかる年齢なんですよ」
今は晩婚化が進み、30代後半、40代、50代の初婚者が、真剣に結婚相手を探している時代だ。
もしも恋愛経験がなく、何から手をつけていいのかわからないなら、まずは数多くの出会いを婚活のシステムを利用して作ることだ。婚活アプリでも結婚相談所でも、何でもいい。空振り覚悟でバッターボックスに立つことだ。
私は仲人なので、米川には相談所での見合いの話をした。
「お見合いというのは、申し込んだり申し込まれたりして、そこで受諾し成立したら、約1時間はお相手とお茶を飲みながら話をする。異性とお茶を飲んだり話をしたりしたことがないなら、まずは異性とのデートの場数を増やすんです」
おそらく普通に生活をしていたら、1年間に10人の結婚を考えている女性と出会うことはないだろう。しかしお見合いならば、やる気になれば、1カ月に10人の女性とだって会うことが可能だ。場数を踏んでいくことで、女性と対峙して話をしていくことにも慣れていく。
「大学時代の文通をしていた彼女以外に女性と触れ合ったことがないのなら、そこから約20年は、恋愛未経験の時間。その“失われた20年”を、まずは数カ月で取り戻すの」
恋愛未経験者は、“どんなお相手でもいいから、会ってみる”ことが大事なのだ。
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