幼少期に「冴えない子」の意外に明るい未来

「子育ての成果」を焦る親たちに伝えたい事実

例えば20世紀最高の物理学者と言われるアインシュタインは、子どもの頃言葉による表現が苦手で、思ったことがうまく話せませんでした。ほかの子と遊ぶのが嫌いで、運動など体を動かすことも苦手でした。単語のスペルを間違えることも多く、語学や歴史などの暗記科目も超苦手でした。両親はずいぶん心配していたようです。

発明王エジソンが、子ども時代に学校にうまく適応できなかったことは広く知られています。彼は、好奇心が旺盛すぎて常軌を逸した行動やへんな質問ばかりしていたので、小学校を3カ月で辞めさせられました。ところが、彼の母親が偉くて、彼の好きな科学の実験をとことんやらせてくれました。母親の応援のおかげで彼は能力を伸ばすことができ、後に発明王と呼ばれるようになったのです。

進化論を打ち立てたダーウィンは、子どもの頃昆虫採集や狩猟に夢中になり、勉強をまったくしなかったそうです。当然、学校の成績はひどくて、彼は「ダーウィン家の恥」と言われていました。

『天才たちは学校がきらいだった』(トマス・G・ウェスト著、講談社)には、こういった話がたくさん出ていて、偉大な芸術家、作家、科学者など中には学習障害など何らかの障害のある人たちがたくさんいたそうです。本書には、作家ではアンデルセン、シェークスピア、フロベール、詩人ではイェイツ、芸術家ではロダン、レオナルド・ダ・ヴィンチなどが挙げられています。

歴史を動かしたあの人も幼少期は親泣かせだった?

大器晩成の実例は日本にもたくさんあります。坂本龍馬は、小さい頃泣き虫で、近所の子どもたちに毎日泣かされていました。それに、14歳くらいまでおねしょをして、親たちはずいぶん心配していました。ところが、成人してからは日本を動かす大人物になりました。

昭和を代表する芸術家の岡本太郎も、小学校では先生に叱られてばかりで学校になじめず、「先生は自分の敵」としか感じられなかったそうです。

私は、本人がテレビで「授業中はずっと先生をにらみつけていた」と語っているのを見たことがあります。そして、1年生の1学期が終わったとき小学校から追い出されました。その後も、あちらこちらの小学校で転入学を繰り返し、最後に落ち着いた慶應義塾幼稚舎という小学校でも成績は52人中の52番でした。でも、岡本のことをよく理解し受け入れてくれた位上清先生のおかげで楽しく過ごせるようになりました。

「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士であり、おもちゃ博物館館長でもある北原照久さんは、小学生のとき体育を除いてオール1だったといいます。とにかく勉強が嫌いで、小学校でも中学校でも全然勉強したことがありませんでした。中学生の頃、完全に落ちこぼれ、いじけてぐれてしまい、中学3年生で退学処分を受けました。本人が著書の中で「義務教育課程での退学は前代未聞でショックだった」と書いています。

それから、私立の高校に最下位の成績で入学したのですが、ある日、担任の先生に褒められて、それで急にやる気が出て勉強をやり始めました。その結果、だんだん成績が上がり、高校3年生のときには学年のトップになり、卒業式では全生徒の代表として謝辞を読む総代になりました。

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