久米島での不安だったスタートから考えれば、この1カ月の練習の中で、楽天イーグルスというチームが徐々に形成されつつあるな、という感覚が芽生え始めていました。
そして春季キャンプを終え、オープン戦に突入です。球団創設1年目は、ビジターの試合しか組まれておらず、各地を転々としながらの消化となりました。
そんな中で、日向キャンプでの手応えから一転、私は密かにもがいていました。
自分自身の打撃に冴えがなくなっていたのです。
体力的には問題はないはずでした。特に疲れも感じていなかった。しかし、結果が出ない。不安を感じながらの日々でした。
他の11球団であれば、オープン戦期間中にはホームゲームも開催されます。本拠地であれば、当時の私のように状態が上がらなくなってしまった場合には打ち込みなどをしながらの調整ができるのですが、当時のスケジュールでは、そのような調整練習すらできなかった。今考えてみると、やや過酷なスケジュールで開幕までを過ごしたんだなぁと思います。
開幕までの準備が非常に難しかった
前年まではキャンプが終われば本拠地である大阪に帰り、オープン戦期間中もシーズン同様にホームゲームとビジターゲームを繰り返すことで、リーグ戦に備えてのリハーサルといいますか、自然と身体をシーズンのルーティンに慣れさせていたのでしょう。
私だけではなく、私以外の選手もこの年の開幕までの準備は非常に難しかったのではないかと、今振り返ってみればそう感じます。
そんな中、状態の上がらないままオープン戦期間を終了してしまいました。こうして自分の中では開幕に向けて100パーセントの準備ができませんでしたが、「オープン戦はオープン戦、シーズンはベツモノ!」と気持ちを切り替えてリーグ戦に臨もうと考えていた(そうするしかなかった)ワケなのですが、不安は現実のものとなってしまうのです。
この続きはまた、次回に。
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