HさんはそもそもMさんが「自分と同い年以下」と書いていたのに驚いたようですが、「会えばいい人かも」とわずかながら期待していた。ところが、Mさんに会ってみてさらにどん引き。彼女の態度がとても大きかったというのです。喫茶店で待ち合わせた場合、初対面でなくても相手に「何になさいます?」なんて聞くと思うのですが、Mさんは黙り込んで、Hさんに聞かれたら「じゃあ、コーヒー」。格好つけたつもりなのでしょう。しかし、40歳を過ぎて気取っているのは、婚活現場ではアウトです。
Mさんは一度も結婚歴がなく、最後にお付き合いしたのが30代半ばでした。そこから10数年恋人がいない状態だったので、自分が35歳だったときの彼氏を相手に求めてしまうわけです。彼女のようなケースはとても多くて、だいたい20代で恋人と別れてから、10年間恋愛をしないままで、40歳近くになって専門家に頼もう、と考えるのです。
いつまでたっても「パーフェクト」を求めてしまう
そういう人に45歳前後の男性を紹介すると「みんなおじさん」と言うので、「あんたもおばさんだよ」と返します。「あなたのお父さんが40歳のとき、あなたは何歳だった? そのときのお父さんの写真を探して見てごらん」と言うのですが、「それとこれとは別」なのだとか。自分の結婚相手は老化してはいけないんです。
男性が若い女性を好む場合、「若くてかわいい」という気持ちがあるかもしれませんが、女性の場合、男性が若くても「かわいい」のはダメで、頼りがいもなければダメだからややこしい。収入もそれなりになければいけません。それで見た目が若いなんて、妄想の世界でしょう。すべてがパーフェクトでなければいけないんです。
アラフォー女性が「パーフェクト」な男性を求めてしまう背景には、女性が活躍している社会背景もあります。会社で長く働く女性は課長や部長になり、男性の部下がいます。20代の男性もいる。そういう男性たちが自分の言いなりになり、ご機嫌も取ってくれる。上司として「かっこいいですね」と、リップサービスもする。それに踊らされて、「私はまだいける」と思い込んでしまう。でもそれは、単なるお世辞ですから。
固定観念はそう簡単に崩れるものではありません。一気に崩そうとすると、「ここの相談所はいい男性がいない」と言って、相談所を辞めてしまうでしょう。そこで、私は時間をかけて、「これまでよく頑張ってお仕事をされたわね」と相手の味方になり、その人を分析して、固定観念がどうやってできたか、理由を分析して、ひとつずつ攻めて取り除いていきます。
必ずしも、その人が悪いというわけでもなく、社会背景もあって、結婚観がこじれた人がたくさんいるのです。まずは思い込みや価値観を見直すところから始めるのが第一歩なのです。
(構成:斉藤真紀子、ライター)
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