カロリー絞っても「やせられない」という逆説 疲れやすくなる、集中力低下などの悪影響も

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そもそも、食欲ホルモンや満腹ホルモンなど、ホルモンの働きによって人間の意思が及ばないところで食べるかどうかが決まっているという実情があります。

正常なホルモン分泌状態に戻すのに役立つといわれる「1日おきのファスティング」「間食をしない習慣」「食欲がないなら食べない」など、胃を空にする時間を十分設けることが、減量効果が長続きする方法だと考えています。

「脂質を減らす」機運の高まりが原因

そもそも、なぜ「カロリー制限説」は誕生したのでしょうか? 1950年代、アメリカでは心臓病の大幅な増加が社会問題となっており、その犯人とされたのが「脂質」でした。

そのため、脂質を減らす機運が高まるのですが、肉や乳製品など、タンパク質を多く含む食べ物には脂質も多く含まれています。脂質を減らすと、タンパク質も減ってしまいます。

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3大栄養素のうち、残るは炭水化物です。いまでは「精製された炭水化物=太る」と広く認識されていますが、当時はまだ知られておらず、必然的に「低脂質=高炭水化物(それも精製された)」という式が成り立ちました。

しかし、精製された炭水化物は低脂質でありながら、同時に太ってしまうというマイナス面も持ち合わせています。

そこで、栄養学のエキスパートたちは、「炭水化物は食べても太らない」と提唱する代わりに、「脂質の摂取はカロリーが増えることを意味し、カロリーを摂りすぎると太る」と無理やり結論づけたのです。

これにより、エビデンスも歴史上の前例がないにもかかわらず、「カロリーの摂りすぎが体重を増やす」と専断され、世界中に広まったのです。

そして、この提唱が発端となって、「どんなに低カロリー食を食べても体重が減らない」という悩みが今なお生まれ続けているのです。

ジェイソン・ファン 医学博士
Jason Fung

1973年生まれ。トロント大学医学部卒業。同大学の研修医を経たのち、カリフォルニア大学ロサンゼルス校にて腎臓専門医の研修を修了。2型糖尿病と肥満に特化した独自の治療を行う「インテンシブ・ダイエタリー・マネジメント・プログラム(集中的な食事管理プログラム)」を開発。著書に『The Obesity Code』『The Complete Guide to Fasting』など。雑誌『ジャーナル・オブ・インスリン・レジスタンス』の編集長(科学部門)も務める。

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