カロリー絞っても「やせられない」という逆説 疲れやすくなる、集中力低下などの悪影響も

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カロリー制限中、男性たちの心身に変化が見られます。被験者たちは真夏の7月だというのに寒がり、夜には2枚の毛布にくるまらないと眠れないほど震えだしたのです。そして、安静時の代謝量を計測したところ、通常時と比べて40%も減少していたことが判明しました。

精神的にも悲惨な影響が見られました。被験者は、強烈に食べ物に魅せられるようになり、集中力を失い、なんと大学を中退する者まで現れたのです。その後の調査で、カロリー制限によって起こりうる数々のデメリットが次々と明らかになりました。

・つねに寒気を覚えるようになる
・心臓のポンプ機能が衰え、心拍数と1回拍出量が減る
・血圧が過度に下がる
・疲れやすくなり、集中力が低下する
・身体活動量が有意に減る
・皮膚がうまく生え変わらず、爪が割れ、髪が抜ける

リバウンドのメカニズム

「本末転倒」な事態も招きます。それは、「摂取カロリーを減らすことで、反対に体重が増えてしまう」という現象です。

摂取カロリーを制限すると消費カロリーも減ることは前述しましたが、実は「減った消費カロリーはなかなか元に戻らない」という性質があります。カロリー制限をすると、それに反応して代謝活動がすぐに減り、その減少がいつ終わるともなく続くのです。

2011年に行われたカロリー制限の実験では、カロリーを制限したことで食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増えることが確認されました。さらに恐ろしいことに、実験から1年以上経過しても、被験者の体内では通常レベルより多いグレリンが分泌されていました。

消費カロリーは減ったままなのに、食欲は抑えられず、むしろ食べてしまう。これでは体重は増えることになります。そして、いつのまにか元の体重以上になってしまう、これが「リバウンド」のメカニズムです。

このように、摂取カロリーを制限すると、やせないどころか前より太ったり、髪が抜けたり疲れやすい体になったりするといった見逃せないデメリットが潜んでいます。また、「運動」も一時的にやせますが、ある一定ラインを超えると食欲が増すことが判明しています。

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