恋人が常に切れない43歳女性の結婚のリアル 3人目の夫は「ご先祖からのご褒美」

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綾乃さんには商才があり、ネット通販の自営業を成功させた。すると、幸司さんとその両親から経済的に依存されるようになった。

「彼の実家には家業があって、潰れかけていたのですが廃業してくれなかったんです。私が赤字を補填していましたが、長くやっているとそれがしんどくなってきました」

綾乃さんは、2人の息子を夫とその両親に任せて家を出る決意をする。自分は寝るときだけ家に帰ってくるような生活で、息子たちは完全に「お父さん子」になっていたからだ。綾乃さんは外から物心両面で支援することにした。

幸司さんと別れて一人暮らしを再開した直後、高身長以外の点ではまったく違うタイプの男性と巡り合った。行きつけのバーで知り合った3歳年上の経営者、孝男さん(仮名)だ。

「すごく口がうまくて女の扱いにも慣れている人です。近所に住んでいたこともあって意気投合しました」

当時の綾乃さんは息子たちをいずれ引き取る可能性があるために前夫の姓に留まっていた。孝男さんとは結婚はせずに付き合い続けた。そのうちに彼からも経済的に依存されるようになってしまった。

「浮気はすごいし、酔って暴力は振るうし、車の買い替えやお酒でお金はどんどん使うし……。彼が経営していたはずの会社はいつの間にか潰れていました」

最初の夫と同じく、商売の足を引っ張る人だった

2人でカフェバーを始めてなんとか軌道に乗った頃に長男が高校に入った。子どもたちが綾乃さんと一緒に住むことはもうないだろう。孝男さんからプロポーズをされた。すでに男女の関係ではなくなっていたが、「責任を取りたいと思ってくれているのかな」と綾乃さんは思い、再婚することにした。38歳の時だった。

しかし、孝男さんの素行は改まらなかった。カフェバーは綾乃さんの奮闘によって3店舗にまで拡大していたが、孝男さんが妙な儲け話を持ってくるたびに巻き込まれ、綾乃さんが後始末に追われることが続いた。

「最初の夫と同じく、彼は商売の足を引っ張る人だったんです」

綾乃さんに問題がなかったわけではない。「息を吸うような感覚で浮気をするタイプ」だと告白する。もし綾乃さんが男性だったら、「亭主元気で留守がいい。浮気は家庭に持ち込むな」と妻から言われるようなタイプだったかもしれない。

孝男さんとの結婚生活は2年間で終わった。別れても綾乃さんは小さなバーを経営し続け、現在の夫である健太さん(仮名、45歳)はその客だった。

「商売仲間の紹介で知り合った人です。第一印象はエラそうで最悪だったのですが、すぐに常連客になりました。お酒を飲めない人なのに……」

健太さんは綾乃さんをデートに誘った。夜ではなく日中の映画館だ。昼の誘いが綾乃さんには新鮮だった。

「水商売をしているとアフターの誘いばかりです。ランチなんて数年ぶりでした。『昼間に連れて歩いてもいい女だと思ってくれたんだ』とうれしかったです」

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