サッカー選手を目指す→パイロットを目指す→商社マン
奥田:いえ……僕は、大学1年まではプロのサッカー選手になろうと思っていたのです。それがケガをしてあきらめることになりまして。それで、どうしようかと考えて、じゃあパイロットになりたいと思ったんですよね。それで、大学3年のときに航空大学校を受けました。
仲:サッカー選手目指して、今度はパイロット? けっこうミーハーな選択じゃないですか?
奥田:そうかもしれませんね(笑)。大学3年生だったということもあって、パイロットにあこがれたものの、就職活動もしてみたいなと思いました。結局、航空大学校には合格したのですが、行きませんでした。2008年は、売り手市場のときだったので、いろいろチャンスがあるなと思って、就活という道を選びました。幼少期に、商社マンも多く駐在しているデュッセルドルフに住んでいたので、身近な仕事だという感覚もあり、結果的に三菱商事に決めました。
仲:またパイロットとは全然、違いますね(笑)。決め手はなんだったのですか?
奥田:サッカー選手がだめになって、いろいろ悩んでいました。実は、「何かこの分野で絶対やり遂げたい」とか、「このスペシャリストになりたい」とか、強い思いはありませんでした。それで、将来的に自分の選択肢をつぶさないような仕事に就くことにしました。10年間、丁稚奉公のようなことをして、ひとつの分野のスペシャリストになるという仕事に就くよりも、ある程度、若い頃から競争させられる環境で自分の成長が望める仕事を選びました。
仲:じゃあ最初からスタートアップをしたいという思いがあったわけではないんですね。商社は企業文化が体育会系だとか、独特なカルチャーがあると聞きますが、実際どうでしたか?
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