対談の(上)『もしドラ』編集者の「まずは10万部」の心得はこちら
紙の世界から、WEBの世界へ
仲:アスキーで雑誌を作っていた経験というのは生かされましたか? 『英語耳』がヒットしたのは、雑誌の編集をしていたことや、英語の専門領域にいなかったからだとおっしゃっていましたよね。
加藤:生きましたね。雑誌を作るときは、デザイナーにレイアウトを発注する際に、見開きの紙に自分の手で描いて発注します。どこに写真をおいて、どこにキャプションを何文字おいて、色はこれだと見やすくて、といったことを、自分で毎号絵を描いて設計するんですよね。今考えると、それって、ユーザーインターフェイスの設計と似ています。ユーザーの目線で配置を考えるわけですから。逆に、書籍はわりと決まった形で文字を流し込んでいくだけで作られるものですが、そこにちょっと“雑誌のニュアンス”を入れるだけで、すごくわかりやすくなるし、伝わりやすくなるのです。デザイナーとも話しが深くできるようになりますし、雑誌を最初に経験したことは本当によかったですね。
仲:そういう経験を生かして、加藤さんは書籍で次々とヒット作を飛ばしていったわけですけれど、どうして紙の世界からWEBの世界に移ったのですか?
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