敏腕編集者は電子書籍時代をこう見る! 「cakes」CEO加藤貞顕氏に聞く(下)

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:悩まないんですね。結構スパっと決めてしまうほうですか?

加藤:そうですね、我慢して続けるくらいなら、多少貧しくなってもいいじゃないかと思っていましたし。あと、僕は昔から、我慢はしないことに決めているんですよ。子どものときに小児ぜんそくですごく苦しかったり、体が弱かったりした経験があるので、人間、いつ死ぬかはわからないんだから、できることは今日やろう、やりたいことだけやろうっていう性格になったのかもしれません。仲さんはどうですか? スパっと辞めたほうですか?

:私はけっこう悩みましたね。辞めますって言ったあとも、研修先で上司が頑張った話を聞かされると、もうちょっと頑張ってみようかなと思いとどまったこともありました。毎月25日に給与が入ってくるという安心感がなくなることも怖かったですし。結局、半年くらい悩んでしまいました。

加藤:意外と、悩むタイプなんですね(笑)。

表現者にとってはいい時代になっている

:加藤さんは会社を辞めて、結局、ピースオブケイクを立ち上げましたよね。「cakes」という新しい電子コンテンツのプラットフォームを作って運営を始めてみた印象や、周りの反応はどうですか? 出版業界と対抗しているというわけでもないですよね。

加藤:そうですね、全然、対抗はしていないと思います。出版社で出しているコンテンツも、僕たち自身が作ったコンテンツも出しているから、本当に新しいプラットフォームであって、「新しいクリエーティブ作業の場」だと思っています。そういう場所はcakesだけじゃないですし、今はクリエーターのみなさんにとって、実はすごくいい時代になっているのではないでしょうか。

:そうですね、表現者にとっては発表できる場は広がっているわけですよね。

この連載は、大企業からスタートアップというテーマなのですが、大企業にいくことのいい点とよくない点を、加藤さんの視点から教えてもらえませんか?

加藤:うーん、大企業かスタートアップかっていう視点だとなんだろう。仲さんは?

:私自身にとっていちばんよかったことは、BtoBの事業を展開するとなると、お客さんは「会社」ですから、一度会社組織に身を置いてその会社内の仕組みを知ることができたということでしょうか。それから基本的なことですが、ビジネスマナーを学べたことも大きかったです。一方で、大企業にいるとオーナーシップが取りにくいのではないかという点も感じましたけれど。

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