スタートアップに必要な「ミーハー心と戦略」 グルメサイト「Retty」 奥田健太CFO(上)

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奥田:僕が入った部署に関して言えば、とてもリベラルなカルチャーで、転職してきた中途の方も多い環境でした。ファイナンスや理論的な力で個人個人が勝負できる環境で、僕にとっては本当に勉強になりました。

一方で、商社全体としては、愛社精神が強くて、辞める人も少ないし、同期の絆も強いという文化が、確かにあると思います。同期で飲みに行ったり、遊びに行ったりということも多いですからね。ただ、僕はあまりそういうタイプではなかったので(笑)。実際、数少ない仲のよかった同期は、けっこう早い段階で次々と新しい仕事を始めたり、スタートアップに行ってしまいました。

ミーハーな関心と戦略的な行動

:でも奥田さんは、そういう流れにはすぐに乗らなかったんですね。

奥田:そうですね。エンジニアみたいな技術を持っているわけでもなく、自分で明確に起業したいというものもなかったですから。なにより、自分が入った部署は、ここに入りたいと強く志望して入った部署で、会社の仕事にやりがいを感じていたというのが、いちばん大きいかもしれません。

:新入社員だとなかなか志望が通らないと聞きますが、志望したところに入れたんですね。奥田さん、ミーハーなんだか、戦略的なんだか(笑)。

奥田:そうですね。普段はおっしゃるとおり、ミーハーな関心で動いていますね。でも、ここでやろうと決めてからは、けっこう戦略的に動いているかもしれません。

:仕事に満足していた奥田さんが、スタートアップに行こうと思ったきっかけは、なんだったのですか?

奥田:がっちり自分がやるかは別として、スタートアップへの関心そのものは以前からありました。それで実際にスタートアップにいる人たちや、起業した人たちと交流するような場を持とうかと考えて、数名で「Think Act Foundation」というNPOを立ち上げました。年に数回、スタートアップで活躍している人や起業家を集めて、カンファレンスを開くということをしていました。

その後、実際に自分も新しい仕事をやってみようと思うようになりました。ファイナンスの知識をつけてきたところだったので、スタートアップの前に投資銀行に行くという選択を考えました。実際、受けてみて、内定をもらって、上司にも言ったあとで、結局、辞退したのですが。

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