映画みたいですよね。すべての人の挑戦を肯定するような強さがある言葉。大きな冒険だけが冒険じゃない。人それぞれに冒険があって、やり始めたらそれが冒険になる。すごいすてきな考え方だなと思って。夢とか冒険って青臭い言葉なんだけど、やっぱり人生には必要なもの。この本も、みんなそれぞれの冒険に出よう、と伝えられたらいいなと思っています。
「いわきチーム」は群を抜いて特別な存在
──一方、蔡さんは静的で淡い、水墨画のような印象でした。
彼はとても細やかな気遣いができる人。大声でカリスマチックにまくし立てるようなことはしない。でもみんなを一生懸命にさせてしまう何かがある。その場に居合わせた人全員が登場人物で、この作品のためにはこんな人が必要、じゃなくて、そこにいるみんなで作るとどんな作品になるかな、と見届ける係みたいな感じです。だから失敗しても、失敗自体が作品になる。
もちろん、蔡さんの作品作りに参加した人は世界中にいるわけですが、その中でもいわきチームは群を抜いて特別な存在だと思う。
その関係の強固さを理解したのは、「いわきの庭」という作品の制作が始まったときですね。ニュージャージーの蔡さん宅に“いわきの人たちによるいわきの庭”を作るというプロジェクトなんですが、多忙な蔡さんは留守が多くて、いるのは作業中のいわきチームだけ。
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