デキない営業ほど陥る「ダメな質問」の仕方 「イエスかノーか」で聞かねば話は進まない
私の知人にとても倹約家の女性がいます。かなりの高収入なのですが、ものすごく慎重派で普段は一切、ぜいたくしません。ところが、高額な買い物をする際は、驚くほどのスピードで即決します。
「そんなに簡単に決めてしまっていいのでしょうか?」と尋ねてみると、意外な答えが返ってきました。
「販売員との相性がよいと感じたら、進めてくれたものを買います。正直多少のスペックの違いなんてどうでもいいんです。思ったより性能が悪かったとしてもいいんです。どうせなら気持ちよく買い物したいんですよ……」
彼女の話を要約すると商品を購入する際の決め手は至ってシンプルです。
・イラッとさせる人なら買わない
そんなノリで、マンションや車も即決してしまうのですから驚きです。
どんな販売員が彼女をイラっとさせるのか、非常に興味があったので尋ねてみたところ、「面倒くさいなと感じさせる人。買うつもりでお店に行っているわけだし、こっちには商品に関する専門知識がないので、テンポよく話を進めて欲しいですね」
彼女のようなビジネスパーソンには、会話にテンポのよさを求める人が少なくありません。多忙を極める生活を送られているからこそですが、初対面の人とテンポよく話すのはそう簡単にできることでもありません。
ここに限定質問の利点があります。実は、見ず知らずの初対面の相手とも 「テンポよく話を進められる」のが限定質問なのです。
拡大質問から限定質問に変えて成長
営業の仕事をしていると一定の割合で、なぜか毎回、お客さんにすっぽかされる営業マンが存在します。一方で、「1度話したお客さんは絶対に逃さない」と豪語する営業マンも少なくありません。
A君という営業マンがいました。ハキハキと受け答えする、とても感じのよい好青年で、一見すると「デキる営業マン」に見えるのですが、なぜかお客さんにすっぽかされる率が高いのです。A君は、「これは行ける!」と思ったお客さんに何度も逃げられ、そのことで自信を失いかけていました。
どんなふうにアポイントを取りそこなっているのか、いつものやりとりを詳しく聞いてみると、やはり拡大質問で、せっかくの濃い見込み客を取り逃がしていました。
そこで、私はA君に「初めての約束を取り付けるときは、かならず限定質問をする」ことを提案しました。
具体的には、シンプルに、イエスかノー、または、二者択一で、相手が負担にならずに回答できるような質問の仕方をすることを薦めたのです。そうすることで、無理なく相手のペースから自分のペースに持ち込むことが可能となります。
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