地方銀行買収やリテール再開の可能性はない 米金融大手シティグループ日本代表に聞く
フィンテック企業の脅威はゆっくりと
――ウェイト代表は、シティ本体のマイケル・コルバットCEOの側近の1人です。現在、シティをはじめとした大手金融機関が直面している危機とは何でしょう。やはり、アマゾンやグーグルといった異業種のディスラプター(破壊者)を強く意識しているのでしょうか。
確かに、ある程度の危機感を持っているが、それが危機的な状況につながるような環境ではないと思っている。短中期的には、彼らと直接競合するというより、パートナーシップを通じての展開になると思う。
われわれは銀行であり、非常に厳しい規制の下に置かれ、非常に大きなバランスシート上のコミットメントも抱えている。現在台頭しつつあるフィンテック企業は、こういう厳しい資本や規制に縛られたくないと思う。彼らとわれわれ銀行がパートナーを組むという形で当面進んでいくと思う。
――シティグループがその典型だと思いますが、銀行の歴史を振り返ると、コンシューマー部門と商業銀行部門、投資銀行部門のすべての機能を持ち、メガバンク化してきました。今後、メガバンク化した金融のあり方が変わっていく可能性はあるのでしょうか。
それはよくわからない。コンシューマー部門も商業銀行、投資銀行の部門も、それぞれ特有の顧客ベースを持っており、顧客に合ったニーズを提供している。このような形でセグメント分けされた構造自体は良いものだと思っており、変わる必要はないと思う。
ただ、フィンテック企業の脅威は徐々に起きてくるだろう。決済業務ではフィンテック企業が台頭し、かなり競争が激しくなっている。一方、商業銀行部門はそこまでいっておらず、投資銀行部門となると、まだ全然。もう少し時間がかかるだろう。
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