「インスタ映え」にイラつく若者たちの新展開 「いいね!」獲得への道はより複雑・高度に

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若者たちには非日常で高級なものへの憧れもありますが、その分ねたみも買ってしまいます。そこで彼・彼女たちは海外のインスタ映えするスポットに行ったり、ブランド品のインスタ映えするモノを持っていたとしても、少しネタ要素も入れて、面白くてセンスの良い画像を投稿しているようです。

こうした投稿をする若者たちの特徴は、オシャレで流行にも敏感であることです。普段の投稿もオシャレなものばかりで、フォロワーも多い傾向にあります。彼・彼女たちはかなりハイセンスですが、このようなネタに振り切った投稿をたまにすることで、「センスもいいし、面白い」という好感度の高くて憧れられるようなキャラクターを手に入れていると感じます。

芸能人で言うと渡辺直美さんがこの部類に所属するかもしれません。彼女の投稿は、きれいなプールや海で化粧がとれた顔や不意打ちの顔、インスタ映えするアイスを手に持って変顔をしたりして、よく写真に収めています。

躍動感を表現
同級生の結婚式の際の写真。ドレスを着ながら、教会であえてジャンプして写真に写っている。ブレ感を出すことで、写真写りを気にしないほど、その瞬間を楽しんでいる様子を表している(写真:筆者提供)

投稿写真で「躍動感」を出す人たちがいます。彼・彼女たちは、インスタ映えするような場所で絶対にキメ顔で写ったりせず、写真のようにジャンプをしたりあえてブレ感を出します。顔の写り具合や写真写りなどを気にせずに、その瞬間を本当に楽しんでいるということを表現しようとしているからです。

日頃こうした投稿をしている女子高生のDさんに聞いてみたところ、「投稿する際には統一感を出し、キメキメの投稿をしてイキってる、お金持ちアピールをしているなと思われないように気をつけています」と語ってくれました。

背景にあるのは若者の複雑な心理

若者は「他人にどう思われているか」をとても気にしています。一方、インスタグラムは承認欲求・自己顕示欲を満たすものとして使われています。しかし、その気持ちの強さがあまりにもフォロワーにみえみえだと敬遠され、「いいね!」の数は減ってしまいます。

実際に都内大学生のEさんは「自慢しすぎた投稿にはいいね!しない」そうです。それは「インスタ映えを狙いすぎた投稿・キメキメで気取った投稿・自慢した投稿はウザい」「インスタ映えインスタ映えと言ってるやつはダサイ」という若者の新たなムードが生まれているからではないでしょうか。

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