日本の宿を「空売り」、中国旅行サイトの正体 快進撃を続けるシートリップの手法
シートリップによるホテルや航空券の手配方法だが、OTAにしては少々変わった手法を取っている。
大抵のOTAはホテルにしろ航空券にしろ、オーダーが入ったその瞬間に予約手配を行い、部屋なり席なりを確保する。ところがシートリップの手配の動きを見ていると、顧客からのオーダーが入ってからオペレーターが手動でホテルや航空券の確保を行っている状況がうかがえる。
シートリップが知りえぬところで高額販売?
同社はこの手法を「オンリクエスト」と呼んでおり、プレスリリースなどで「ユーザーに少しでも多くの宿泊プラン(部屋)をより安価に提供していきたいという想いから、弊社が宿泊施設から直接空室を仕入れて販売するほか、空室を抱えている販売業者から仕入れた枠を販売するプラットフォーム型のビジネスを展開しています。このビジネスモデルは、OTA業界では一般的なものです」と説明している。
つまり、その時々の状況でいちばん有利な仕入れ先を探して手配をしているというわけだ。ただ、中には同社と直接 契約していない宿についてもほかの代理店経由で手配するケースもあるようだ。こういった取引は中国あるいは香港ではごく普通に行われていることで、(ある旅行会社が)自社で取れないホテルがある場合、他社や卸し会社を通じて取るのも珍しくない。
今回のトラブルをめぐっては、(シートリップ側の説明によれば)こういった卸し手配会社の1つが「カラ売り」を行った、ということのようだ。
しかも、オンリクエスト機能は「シートリップと契約を結んでいない施設」に対しても勝手に導入されていて、ほかの旅行会社や卸し会社を通じて仕入れを行う格好となっており、さらに施設側があずかり知らぬところで高額販売されたことが問題化したというわけだ。
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