日本の宿を「空売り」、中国旅行サイトの正体 快進撃を続けるシートリップの手法
今回のトラブルを通じ、宿泊業界の間では言うまでもなく不安が大きく広がっている。一方、利用者はOTA経由で予約した旅をめぐるトラブルを避けるために、どのような手を打てばいいだろうか。ひとつの目安として、利用者が心掛けたいことをまとめてみた。
・予約をする際、泊まりたい施設について、「宿泊日や部屋タイプ、食事の有無などの条件」を同じにしていくつかのサイトで価格をチェックする。
・ 予約が確定したら、ホテルに再確認する。
・ サイト運営者(法人)がどこかよく確認する。万一の際の連絡先がはっきりしないケースに要注意。日本国内の窓口の有無も確認しておくとよい。
・ 手配時の契約条件をよく読む。「返金不可」と明示してある物件を取る時には要注意。たとえOTA側に非があっても、トラブル解決の際に「返金不可」という条件を盾にされてもめるケースことがある。したがって、出発まで日がある際は多少価格が高めでも「(一定期間前なら)キャンセル料無料」という条件で押さえておいたほうが予定変更やさらに条件の良いホテルが見つかったとき、余計な出費なしに対応できる。
迫る年末年始に広がる不安
海外に拠点を持つOTAをめぐるトラブルが発生したことは、OTA業界に悪影響を及ぼす影響が考えられる。「ネットで部屋を取っても、本当に確保できるのか」と心配する向きが増えそうな懸念があるからだ。
これについて、数多くの宿泊機関からの委託で、サイトコントローラーを使って客室の販売管理を行っている川嶋雄司氏は、「海外拠点のOTA利用の動きにブレーキが掛かることもあるだろう」とし、今後は各ホテルが自社で運営するサイト経由での予約が増えるのではないか、との見方を示している。
シートリップは、業界団体との説明会を通じて火消しに努める方針を明らかにしたが、はたして旅館主らの怒りを抑えることはできるだろうか。年末年始の多客時を前に、「せっかく宿を取ったのに泊まれない」という利用客が出ないことを切に祈るばかりだ。
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