日本の宿を「空売り」、中国旅行サイトの正体

快進撃を続けるシートリップの手法

問題を起こしたシートリップは中国で外貨両替商も営む「優良会社」だ(上海浦東国際空港で、筆者撮影)

日本の旅館・ホテル業界が、中国の旅行予約サイトが起こした「架空の予約受付」による混乱で揺れている。「存在しない空き部屋」を、実勢価格を大きく上回る値段で販売したこの騒動、次々と実態が明らかになってきた。

ウェブサイトや携帯のアプリを使って、簡単に宿の予約が取れる昨今、国内・海外旅行を問わず旅行関連のオンライン予約サイトは増える一方だ。はたして安全に旅の予約をするにはどうしたらいいのだろうか。今回の事例を分析しながら改めて検討してみることとしたい。

観光庁が注意を促す事態に

今回の問題をめぐっては12月1日、個人旅行者向けの情報を積極的に発信しているトラベルメディア「トライシー(Traicy)」が「”存在しない部屋”を販売する海外大手宿泊サイトのカラクリ」という記事を掲載したことで広く明るみに出た。

それによると、「海外大手宿泊サイトが、年末年始が既に満室のホテルを『一室のみ在庫がある』と偽って販売している事案が全国で発生している」としたうえで、 「該当の宿泊サイトと未契約のホテルであろうがお構いなしに勝手にプランを作られかなりの高額で販売されている」という。

「架空受付」の元凶とされる会社は、上海に本社を持つシートリップ (Ctrip、中国語では携程旅行網)が運営する「Trip.com(トリップドットコム)」である。NHKをはじめとする各社の報道を見る限り、「ありもしない部屋」を買わされた予約件数は少なくとも400件に上るもようだが、架空の予約をしてしまった消費者が申し出ない限り、宿泊施設側がそれに気づくことはないため、被害はさらに広がる可能性が高い。

しかも、今回のトラブルをめぐっては、年末年始のピークに旅行したい消費者に対し、客室確保のために「即金支払いを求めた」だけでなく、「キャンセル時の返金なし」いう厳しい条件で客室を売りさばこうとしていた。

次ページ施設側が「カラ売り」されていることを知らないという大問題
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