北朝鮮で「国際商品展覧会」の驚くべき中身 中国企業が猛烈に出展している理由
北朝鮮の平壌で9月に開催された「第14回秋季国際商品展覧会」には320社を超える企業が参加したが、うち約143社が中国企業で、北朝鮮企業の出展(約140社)を上回っていたことがNK Pro(北朝鮮ニュース有料版)が独自に入手した画像や動画、展覧会資料から明らかになった。
展覧会に参加した外国企業の圧倒的大多数を占めたのは中国本土の企業だが、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、香港、台湾、タイ、バングラデシュ、イタリア、ロシアの企業も少数ながら出展していた。
国境周辺地域から多数の企業が出展
2018年に入ってから朝鮮半島の融和ムードが高まり、北朝鮮への制裁が緩和されるのではないかとの観測も浮上している。海外企業の参加は、こうした北朝鮮情勢の変化に対応した動きとみられる。
北朝鮮メディアの報道を分析したところ、9月に開かれた展覧会の参加企業数は2007年以降に平壌で開催された国際商品展覧会(春季と秋季の双方を含む)としては最多レベルに達した。
北朝鮮にとって中国は、以前から最重要の貿易相手国だ。中でも中朝貿易の重要な担い手になっている国境周辺地域からは、いつものように多数の企業が出展した。
瀋陽、大連、丹東などの都市がある遼寧省は特に北朝鮮ビジネスとのつながりが深く、同省からは61社が出展したもようだ。北朝鮮とかなりの距離にわたって国境を接する吉林省は、遼寧省ほど人口は多くないが、9社が出展した。
山東省からは16社。同省は北朝鮮と陸続きではないものの、通商面で分かちがたく結び付いている。北朝鮮が石炭を中国に輸出するときに使われる重要な港があるからだ。北朝鮮からの石炭輸入は、もちろん国連制裁で禁じられている。