北朝鮮で｢国際商品展覧会｣の驚くべき中身 中国企業が猛烈に出展している理由

国連安保理は2017年12月に制裁決議2397号を採択し、産業機械などにも制裁対象を広げた。具体的には、貿易品目の国際分類基準・HSコード（輸出入品統計品目番号）の第84類に該当する機械は制裁対象になっている。

しかし、展覧会には機械類を販売する中国企業が複数出展した。パンフレットに名前の出てくる辣苹果インターコネクション・インダストリアル（大連）有限公司と吉林省ファーウェイ機械電気設備有限公司はいずれも、コンピューター制御されたCNC装置を含む各種の工作機械を販売している。

機械関連の企業が複数出店

CNC装置は、歴史的に北朝鮮の大量破壊兵器開発との関連性が明確に指摘されてきたものであり、極めてリスキーな商品だ。

中国商務部が運営するサイト「中国商品網」に掲載されている吉林省ファーウェイ電気機械設備有限公司の会社概要を見ると、HSコード第85類に分類される摩擦圧接機を取り扱っていることがわかる。HSコード第85類は第84類と同じく、制裁対象になっている。

吉林省ファーウェイ電気機械設備有限公司という社名は、展覧会パンフレットにある吉林省ファーウェイ機械電気設備有限公司とは微妙に異なるが、所在地と電話番号は同じ。同一企業と考えてよいだろう。

それ以外にも機械関連の企業は展覧会に複数出展している。たとえば、パンフレットに名前が出てくる泰州市凱華ディーゼル発電機有限公司のウェブサイトを確認してみると、ディーゼルウォーターポンプのほか、かなり大型のディーゼル発電機セットを取り扱っていることがわかる。これら製品は、制裁対象になっているHSコード第85類に該当する可能性が高い。

販売会社の名称までは確認できなかったが、NK Proが入手した動画を見ると、展示ホールの外に設けられた展示即売会場には、海外ブランドの発電機が商品として陳列されていた。

電動工具を取り扱っている会社も少なくとも2社出展している。電動工具は危険な製品には見えないかもしれないが、HSコード第82類に分類され、北朝鮮への移転が禁止されている。