北朝鮮で「国際商品展覧会」の驚くべき中身 中国企業が猛烈に出展している理由
同社ウェブサイトに掲載されている販売網とみられる地図では、北朝鮮は「ターゲット市場」という位置づけになっている。また2012年には同社幹部が訪朝。北朝鮮でさまざまな製品を披露し、北朝鮮の政府高官・金己男(キム・ギナム)氏と意見交換した、との記述もある。金己男氏はすでに引退しているが、かつては朝鮮労働党中央委員会副委員長のほか、党宣伝扇動部(現在は国際制裁の対象になっている)の部長を歴任した人物だ。
山東五征集団が秋の展覧会に出展したということは、国際制裁にもかかわらず、同社が北朝鮮市場への再進出をもくろんでいることを示唆する。
制裁破りを示唆する大胆発言
国際制裁では、北朝鮮と合弁企業を設立することも禁じられている。しかし、展覧会には、合弁企業が22社も出展した。合弁企業の出展数はここ数年、だいたいこのレベルで落ち着いている。
22社のうち、いったい何社が実際に事業を行っているかは定かではない。ただ、北朝鮮高官の発言によれば、国際制裁を破って北朝鮮と合弁事業を始めたいと考えている企業は、展覧会に出展する必要がある。
今年春に行われた平壌の国際商品展覧会では、同展覧会を取り仕切る朝鮮国際展覧会社(KIEC)の代表が中国の国営中国中央テレビに対して大胆にも、5月の展覧会で合弁契約が結ばれたと語っている。
9月に行われた展覧会でも合弁契約を真剣に検討した会社が何社かある、と報じられた。
そのうちの1社が、聖昂達機械(天津)有限公司だ。中国の環球時報が9月に掲載した記事は「北朝鮮の労働力は安価なわりに質が高い」という同社幹部のコメントを引用し、同社が北朝鮮での合弁設立を検討している、と伝えている。
(執筆:ヘイミッシュ・マクドナルド)
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