小5で不登校になった少年が見いだした「道」 親の「いいね」が子どもの人生を変える
――山崎さんの不登校経験からお聞かせください。
学校へ行けなくなったのは、小学5年生のときでした。僕は双子で、上に姉が2人いる4人きょうだい。最初に不登校になったのは次女で、そのあと僕ら双子も不登校になりました。
僕の場合、幼稚園から合わなかったんです。年長から1年間だけ通いましたが、幼稚園では決まり事も多かったり双子が引き離されるのが嫌で、まったくなじめませんでした。
それまでは双子で野山を自由に駆けまわるような毎日だったので、泣きながら通っていました。
僕はダメな人間
そのまま小学校へ入学、最初につまずいたのは「自分の名前を書く」という授業でした。実は、それまで字を書く練習をしたことがなかったんです。
みんなは書けました。「僕だけ書けない、みんなを待たせているダメな子だ」というコンプレックスが生まれました。
学校に行きたくない。それでも「学校には行かなければいけない」と思っていたので、遅刻しながらも必死に通っていました。
5年生になったとき、クラスでいじめが起きました。ある女の子のことをみんなでからかううちに、だんだんエスカレートしていきました。
僕は助けてあげたいけど、いじめが自分に向くのが怖くてどうすることもできませんでした。そして学校が怖くなって、しだいに行けなくなりました。誰にも相談できず、家で過ごしていても、気が休まったことはありません。
登下校の時間帯になると、同級生の様子を窓からこっそりのぞき込んだりして「自分はダメな人間だ」って思っていました。それがとてもつらかったですね。
――なぜ、そんなことを?
「学校を休んでいい」と、心から思えていないからです。「今日は行けなかったけど、明日は学校へ行こう」って、自分で自分に毎日言い聞かせていたんです。でも、行けない。
じゃあ、何をしていたかと言うと、NHKの教育番組をずっと見ていました。