「生活のための仕事」に転職した男性のホンネ 海洋水産学の研究者から地下鉄の運転手に…

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市場のお気に入りの魚屋さんで談笑するJさん。海洋水産学研究の仕事を辞めた今も、魚好きは変わりません(著者撮影)

夫のJさんいわく「イタリア人は家族を大事にする。だから、こうしてイタリアから離れて外国に住んでいる時点で、僕も、それを許した両親もイタリア人らしくはないよ」とのこと。

とはいえ、Jさんが家族を大事にしていることはマンガからもわかるとおりです。結局はJさんもイタリア人らしいのかもなあ、と思ったりもしました。

ちなみに、このJさんのような「妻には自分が満足する仕事をやってほしい」という考え方、日本よりもスペインに住んでからのほうがよく聞く気がします。しかも彼のように実家の母がバリバリ働いていた、という場合に限らずなのです。そして、そういう男性たちに共通するのは、妻に対して求めているものが「自分をサポートする人」ではなく「魅力的なパートナー」だということ。そういう人が多いからこそ、家事育児の外部委託も普及したのだろうなあ、と思いました。

「隣の芝生が青い」とならないためにも…

今回の取材では「仕事と家庭とのバランス」について新たな目線で考えることができたのですが、強く感じたのはマンガで描いたような「どんな働き方だろうが、選択の自由がある社会がいい」ということがひとつ、そしてもうひとつは「その選択をしっかりと具体的に決断することが大事だ」ということです。

どんな働き方をするにしても、状況や周りに流されてなんとなく選ぶのではなく、最終的には夫婦で決断してちゃんと「自分の選択」として選ぶこと。そのうえで「その働き方にあった家事育児のやりかた」を決めていくこと。もし「家庭優先にする」と決めたなら「いつまでが優先時期かちゃんと決める」こと。そういう決断をまず最初にしたほうが、その後の生活にも迷いなく、隣の芝生が青く見えたりもしにくいのかもしれないなあ、とも思ったりしました。

さて、今回の話から学んだ「つかれないヒント」は……

バリバリ働きつつの育児につかれた

人生の一時期、仕事を小休止するのはアリ
自分にあった働き方を選ぼう!

さて、皆さんは、家庭を優先するために、働き方や仕事を変えた経験はありますか? もしあるなら、どんなふうに変えたのか、そのメリットとデメリットなどをぜひコメント欄で教えてください!

この連載のサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」がオープンしました。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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