2位は同じく総合商社の三井物産で7392.6円。平均年収は1419.9万円、総労働時間1920.7時間だった。同社は社員一人ひとりの生産性や効率性を高くし、メリハリをもって働くことで、企業競争力の向上につながる「働き方改革」を推進。個人単位の時差出勤制度、時間単位の年休、モバイルワーク制度などを導入し、多様な働き方が行えるよう、バックアップしている。
社内公募制度やFA制度は1年に1回実施。2017年度はこの制度で、それぞれ2名、17名が希望の職場に異動している。
一時的に働くことが困難になった従業員の支援も行う。メンタルヘルス不調者への就業支援や、精神科医によるカウンセリングなどで、従業員に寄り添って目配りをしている。
3位も総合商社の丸紅で7173.5円。残業禁止時間の導入、朝型勤務へのシフト推奨、全社的な業務改善プロジェクトの実施などを進めている。
以下、4位伊藤忠商事7109.1円、5位ヒューリック6879.2円、6位住友商事6732.4円、7位JXTGホールディングス6321.7円と続く。
8位は電通の6262.5円で、年間総労働時間は2032時間。部署別のノー残業デー導入やスケジューラーの共有で、効率的な働き方を目指している。有給休暇取得率も2015年度の40.5%から2017年度は64.0%まで上昇。働きやすい職場の風土醸成のために、社員制作のポスター・映像などによる啓発活動を実施したりと、社内の雰囲気も変わりつつある。
今回の上位166社には、誰もが知っている超有名企業が多いものの、学生のみなさんが知らない社名もあるはず。中にはその業界でトップシェアを誇るような会社もある。覚えておいて損はない。
さて、ランキング対象656社の計算時給の平均値は、3520円だった。国税庁「平成29年分民間給与実態統計調査」によると、2017年の正規雇用の平均給与(年収)は493.7万円。年間総労働時間を、上記656社の平均労働時間1997.7時間で計算すると、時給は2471.3円になる。これを見る限り、今回対象の時給4000円以上は、かなり高い水準であることがわかる。
高時給企業は教育や福利厚生も充実
従業員に対して高い時給を払える会社は、高付加価値のビジネスが行えている証拠だ。事業活動で高い付加価値が得られているため、一般的に教育システムや福利厚生も充実している。さまざまな社内の制度を利用でき、能力を高めるチャンスも多い。
ただし、こうしたランキングはあくまで、会社の一面を知るための参考データとして見てほしい。就活ではこれらを基本としてさらに多くの情報にあたり、自分にとって本当に合う会社かどうかを、判断していくとよいだろう。
その際、東洋経済新報社が発行する、『就職四季報』をじっくり見てほしい。そしてより詳しい情報が知りたい方は、ぜひ『CSR企業総覧』をご覧いただきたい。
多くの大学で図書館に置いてあるはずだが、利用が増えているのは、Webから閲覧できる東洋経済デジタルコンテンツ・ライブラリーだ。検索機能も使えるので、導入されているか確認してみるとよいだろう。
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