スタバが徹底的にこだわる「特別な店」の正体

限られた場所に「リザーブ」を展開する理由

石黒さんが作った「ラテアート」(筆者撮影)

ブラックエプロンがそろうとあって、時には業界関係者らしき人も訪れる。「サイフォンの際にかき混ぜる『2回目の撹拌は何秒ですか?』といった専門的な質問も受けます」(北森さん)。よほどのマニアでないかぎり、店でいれているプロ以外に出てこない質問だろう。

アルコールの訴求と課題

この店にはアルコールメニューも少しある。「コーヒー スティープ ビール」(900円)は、アルトビールにコーヒー豆を浸透させたオリジナルドリンクだ。夜23時までの営業時間も含めて、カフェバー需要を喚起するように思えたが、「あくまでもコーヒーメニューの延長線上で、コーヒーの楽しみ方を提案するドリンクです」(同社)という。

「カフェバー」から「カフェ」に業態を戻した競合店からは、「アルコールメニューを提供すると、お客さまから『つまみになるメニューはないのか』と聞かれ、対応するとフードメニューの仕込みが大変になった」という話を聞いたことがある。「リザーブ」もつまみメニューは充実しておらず、あくまでもカフェ業態を貫く。

ちなみにアメリカ国内では「スターバックス イブニングス」という店を一時展開。ビールやワインを提供したこともあるが、2017年早々に終了した。夜間の来店客が思うように増えなかったのが理由だと聞く。アメリカ系企業の中には、消費者の視線が厳しい(ある意味で細かい)日本市場を「ラーニングマーケット」(学習する市場)と位置づける会社もあるが、スターバックスは発祥地であるアメリカで実験店を試すことが多い。

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