スタバが徹底的にこだわる「特別な店」の正体 限られた場所に「リザーブ」を展開する理由

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もちろん豆の種類も違えば、いれ方も異なるが、雰囲気+限定豆という付加価値で客単価を上げている。さらに同コーヒー豆は250グラムで2400円と、かなりお高い。

接客するのは「黒帯」従業員

(2)は、全員が「黒帯」ならぬ黒いエプロン着用で接客する。少し説明が必要だろう。

2階の「スターバックス リザーブ」に向かう途中の階段(筆者撮影)

通常、同社の店舗スタッフの多くは「グリーンエプロン」(緑色のエプロン)を着用するが、中には黒い「ブラックエプロン」で接客するスタッフもいる。ブラックエプロンは、年に1度、コーヒーに関する幅広い知識、コーヒー豆の特徴などを問う社内試験を実施して合格した人だけに与えられる。その中でも「リザーブ」には選ばれた精鋭が勤務する。

たとえば社内競技会「コーヒー アンバサダーカップ」の歴代優勝者も働く。石黒歩美さんは、今年2月22日、東京都内で行われた決勝大会優勝者という現役王者。大会後の人事異動でこの店の勤務となった。もう1人はストアマネージャー(店長)の北森晴香さんで、柔らかい笑顔が持ち味の2009年の同大会優勝者。名古屋市出身で2008年に東京に異動した翌年に「コーヒーアンバサダー」になった。

店長の北森さん(右)と2018年コーヒーアンバサダーの石黒さん(筆者撮影)

取材時に石黒さんが「ラテアート」を作ってくれた。リーフという定番形で、左右対称にするのが難しい。それを見守る北森さんが着用するブラックエプロンには11個分の星(金の星2つ+白い星が1つ)が輝く。11回の社内審査に合格した証しだ。

「コーヒー豆の銘柄やいれ方にこだわるお客さまも増えています。特にラテアートやサイフォンは、作業の様子を興味深そうにご覧になります」(石黒さん)

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