「結婚は損」と決めつける人の残念な勘違い 共働きを前提に考えることが重要だ
結婚は得なのか損なのか――。
これは永遠に解けない問題です。ギリシャの哲学者は結婚について皮肉を述べることが定番のようなものでしたし、結婚を牢獄に例える男性は今でも少なくありません。
男性にとって結婚に前向きになれない恐怖の一例として「ATM化」するというものがあります。自分が身を粉にして稼いだお金を、妻はただ下ろして使ってしまい、自分はただお金を用意するATMになるのではないか、というイメージです。インターネット上ではしばしば、「結婚したらお前はATMになるだけだ」というアドバイス(?)をみかけます。
しかし、男性だけがマイナスなわけではありません。女性でも「結婚はマイナスだ」と考える人はいます。女性にとって結婚への恐怖の一例は、母親の役割を期待されることでしょう。家事も育児もまったくできない夫の場合、妻としてのタスクを受け持つ感覚より、今までは夫の母親が担当していたタスクの肩代わりをさせられる感覚のほうが上回って大きなストレスになります。
結婚の損得を考えるカギは共働き
さらに、夫が家事や育児に協力しない「ワンオペ育児」になってしまうという恐れもあります。フルタイムで働いているにもかかわらず、家事や育児、子どもの病気によるお迎えや通院などを全部1人で背負わされるかもしれないというのは、これから子どもを持つことを考える若い女性にとって恐怖になっています。
結婚は本当に損するものなのでしょうか。お金と幸せの関係について考えるファイナンシャルプランナーの筆者が「結婚」についてどう考えているか少しお話ししてみましょう。
結婚の損得を考えるカギは「共働き」だと思います。女性からすると「正社員のままだとワンオペ押しつけられるから、共働きは不利じゃないの?」と思うかもしれませんが、むしろ逆です。専業主婦やパート社員になってしまうと、女性が経済的立場で圧倒的不利になります。
パートではなく女性が正社員のまま共働きを継続し婚姻生活に入れば、年収の差が大きく開かないため、家庭内の力関係でも大きな差が出ません。また、性格の不一致などで離婚を考えることもあるでしょうが、女性が自分ひとりを養うだけの年収を自力で稼いでいれば、離婚を躊躇することなく、強気に出ることができます。もちろん、共働きをしていれば、男性も自分がATMになっていると疑心を抱くこともなくなります。
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