「結婚は損」と決めつける人の残念な勘違い 共働きを前提に考えることが重要だ

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夫婦、特に共働きの夫婦である場合、支え合いながら乗り切ることができます。私の知人には夫婦間の年収が何度も逆転しているカップルがいますが、支え合いの好例だと思います。

夫が勤めていた会社が倒産の危機になって、慌てて転職活動するときは妻がガッチリ稼いで支えたり、妻が体調を崩して離職したときは夫が主たる稼ぎ手になり支えたりしています。夫も妻もしっかり稼げるようになったら、子どもの学費が本格的にかかる時期に向けて備えているようです。

「男が稼ぐもの」というような常識にとらわれず、自然体で「稼ぐ主担当」の分担を交代しあっているところが面白く、今の時代の夫婦のあり方だなあと思います。そういう補完関係が築けると、きっと結婚は損得を超えたものとなるのではないでしょうか。

独り相撲で、結婚は「損」になる

これから結婚を考えているが「自分は損をするのではないか」と不安を感じている人、すでに結婚をしていて自分は損をしているのではないかと考えている人について、アドバイスをするなら「独り相撲」は絶対にしてはいけないということです。

結婚というのはある意味、協力関係です。1つの会社の共同経営者になるようなものです。社長と副社長がケンカしていると会社は成り立ちません。社長が無駄遣いばかりしていては副社長がどんなに経費節減しても焼け石に水です。夫婦もそのようなものです。

あなたがもし不安を感じているのに、相方は同じ不安を覚えていないように見えるなら、その不安や不満を相手に吐き出すことです。これは定期預金の預け先をどこにするか考えることよりも大事なことです。

不安や不満を少しでも共有して改善の方法や計画を立てていかなければ、あなたにとって結婚は損になるばかりでしょう。負担を1人で背負わされていることになるからです。どんな金利が高い投資方法も、どんな高年収も、1人で家計の問題をすべて背負っている限り、あなたの助けにはならないでしょう。

あなたが「結婚は損かも」という不安や感覚を覚えているように、相方も感じていないとしたら、これほど無駄な独り相撲もありません。そして(あなたが想像している以上に)あなたの配偶者はその不安も不満も持たないで毎日を過ごしていたりします。これでは一方的に損をしているだけになってしまいます。

家事や育児をシェアしてほしいなら、そうはっきりと言いましょう。溜め込んでいる怒りをぶつけたほうが相方はその深刻度を理解してくれるかもしれません。将来に向けた貯蓄に不安があるならこれも話し合って夫婦ともに貯蓄ノルマを設定するしかないのです。独りで頑張っても問題は何も解決しません。

結局のところ、結婚を損なものとするか得なものとするかは、ふたり次第なのです。

山崎 俊輔 フィナンシャル・ウィズダム 代表 ファイナンシャルプランナー

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やまさき・しゅんすけ / Syunsuke Yamasaki

1972年生まれ。中央大学法学部卒業。企業年金研究所やFP総研を経て2001年独立。全国紙などで連載。著書に『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』など。

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