つぼ八が「やまや」の軍門に下った切実な事情 居酒屋チェーンのM&A再編が活発化する理由

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実は以前、つぼ八は阪神酒販グループのアスラポート・ダイニング(現、JFLAホールディングス)から、M&Aを持ちかけられたことがあるといわれる。やまやの最大のライバルである酒ディスカウント店「カクヤス」と業務提携関係にあるのが、阪神酒販グループだ。まだ機が熟していなかったのか、つぼ八はこの阪神酒販グループの申し出を断ったという。

今やイオングループをバックにしたやまや・チムニー連合は、マルシェとの提携・つぼ八との買収を成功させ、居酒屋業界最強のM&A軍団にのし上がって来た。

今後、居酒屋業界にはM&Aによる再編が進むのは間違いないと筆者は考えている。それは業界にM&Aの有力なプレーヤーが増え、虎視眈々と仕掛けているからだ。

やまや・チムニーグループを追撃するカクヤス・阪神酒販グループも、居酒屋業界のM&A戦略でこれからも火花を散らすだろう。

居酒屋戦争は混乱の時代に突入

「日本外食新聞」(外食産業新聞社)元社長の坂本憲司氏は、こう話す。

「つぼ八がやまや・チムニーに買収されたとき、居酒屋戦争は“大城(大箱)”の時代が終わったと感じた。これからは“小城(小箱)”の時代に突入、群雄割拠する混乱の時代に入るだろう」

今後も、やまや・チムニーがつぼ八を買収したのと同じようなことが起こり、居酒屋業界の淘汰・再編劇が続くのは間違いないだろう。

中村 芳平 外食ジャーナリスト

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なかむら よしへい / Yoshihei Nakamura

1947年、群馬県生まれ。実家は「地酒の宿 中村屋」。早稲田大学卒。流通業界、編集プロダクション勤務、『週刊サンケイ』の契約記者などを経てフリーに。日刊ゲンダイの「語り部の経営者たち」にレギュラー執筆、ネット媒体「フードスタジアム」に「新・外食ウォーズ」、「ビジネスジャーナル」に「よくわかる外食戦争」などを連載。

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