高校野球で旋風起こす、ソフトボールの名将

川越東高校を躍進させた男

試合後、3年生だけを集めて労をねぎらった。

「1対0で負けるのも、10対0で負けるのも同じ。勝てなかったのは監督の責任だ。今までよくやってくれた。いろいろ大変だったと思うけど、協力してくれてありがとう」

一方、別に集めた1、2年生たちには、試合の具体的内容には触れていない。浦和学院の先発投手は、2年生の小島和哉だった。川越東の先発メンバーには2年生が多く、2014年の甲子園を目指すうえで、小島は倒さなければならない相手だ。だからこそ、渡辺はあえて試合を総括しなかった。

「『こんなに差がある』と言っても、モチベーションにはならない。敗因を整理できるまでは、無駄に言っても仕方がない。小島君は来年もいる。次の年にも影響するので、いろいろ踏まえて話さなければならない」

短期間でチームがまとまり、決勝まで進出したことで、1、2年生は次の目標が明確になった。

「決勝まで行ったのだから、今度は最後まで勝つことが最大の目標になる。まずは挑戦権を得るために、やるべきことがある。その舞台に上がったら、去年のことを話す」

2013年の夏が終わった瞬間、次の手を打った。そうした周到な準備こそ、突然の異動にもかかわらず、渡辺が川越東を史上最高の成績に導くことができた要因だろう。

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナでもブームは過熱中<br>不動産投資 天国と地獄

家計のカネ余りを背景に、マンションやアパートなどへの投資熱は冷める気配がありません。しかし、不動産投資にリスクはつきもの。先行きが見通せない状況で、何が優勝劣敗を分けるのでしょうか。現場の最前線を追いました。

東洋経済education×ICT