だからニコニコの有料記事に10万人が集った 雑誌系出版社の眼前に広がる“不都合な真実”
現在、有料登録者数1位のチャンネルは、元ライブドア社長の堀江貴文氏が配信する「堀江貴文 ブログでは言えない話」(月額840円)。2位はミュージシャン・GACKT氏の「GACKTちゃんねる」(同840円)、3位はアニメ・ゲーム制作会社ガイナックスの創業社長や東京大学非常勤講師などを務めた岡田斗司夫氏の「岡田斗司夫のニコ生では言えない話」(同525円)などが続く。いわゆる「キャラの立つ」個性的な個人が多くのユーザーを獲得している傾向がある。
みずからもブロマガで「週刊夏野総研」を配信する、ドワンゴの夏野剛取締役は、こう解説する。
「ネットが発展する以前は、自分が欲しい情報が1つ2つ入っている紙雑誌などのパッケージコンテンツを買っていた。それが今はソーシャルメディアなどが出てきて、自分と考えの近い人が分かったり、欲しい情報が細かく手に入るようになったりしてきた。そこにビジネスモデルを当てはめたのがブロマガ。
うまくかみ合うと、ある得意分野を持ったプロフェッショナルな人の発信する情報に価値を見いだした読者がおカネを払い、その発信者に収入が入り、さらに専門的な領域を磨き上げていくというエコシステム(生態系)ができる。コンテンツ発信者はやっぱり人。人を出さないと面白くない」
コアなファンをつかめば儲かる
では、雑誌系出版社が有料メルマガを志向すればいいかというと、そう簡単でもない。ブロガーの藤沢氏はこう指摘する。
「ほかにないコンテンツに読者はおカネを払ってくれているが、メルマガで有料読者が1000人以上いる発信者は15人ぐらいしかおらず、だいたい掘り起こされている。個人がそこそこお金持ちになるぐらいは儲かるが、メディアのマーケットとしては小さい」