米中間選、「セレブの発信」が熱を帯びた背景 俳優や歌手が政治への関心を喚起している

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アメリカのコメディ女優エイミー・シューマーは、ラディカルな手法で政治的なメッセージを送り出す(写真:REUTERS/Mario Anzuoni)

ドナルド・トランプ大統領への信任投票ともいえるアメリカ中間選挙は11月6日。投票日を目前に共和党、民主党の候補の戦いが過熱する中、多くのハリウッドスターやミュージシャンたちも声を上げた。

最も世間を驚かせたのは、アメリカの人気歌手テイラー・スウィフトだ。自身の体験に基づいたパーソナルな歌詞で若い女性たちの共感を集めてきた彼女は、政治的発言をしないことでよく知られていた。2016年の大統領選挙の際にも、ビヨンセやレディー・ガガなどがヒラリー・クリントン支持を表明する中、支持候補を明らかにせずに批判を浴びた。そんなテイラーが10月7日に自身のInstagramに長文を掲載し、その沈黙を破った。

初めて政治的な見解を示したテイラー・スフィストの投稿画像(写真:Instagram/TaylorSwift

「私はこれまで政治的な意見を公にするのには消極的でしたが、この2年間で私の身や世界で起きたいくつかの出来事によって、今はまったく違うように感じています」「肌の色やジェンダー、誰を愛するかにかかわらず、すべてのアメリカ国民の尊厳のために戦えない人には投票できません」

テイラーはこうつづり、共和党の女性議員マーシャ・ブラックバーンには投票できないこと、上下院議員ともに民主党候補に投票することを明らかにした。ブラックバーンは、女性への暴力取り締まり強化や男女の賃金平等に反対し、同性愛者に対する差別的な態度を表明し続けてきた現職議員だ。そして、テイラーは1億1200万人のフォロワーに向けて有権者登録をするよう呼びかけたのだった。

トランプ大統領はこれを受けて「前より25%、彼女を好きじゃなくなった」と発言したが、有権者登録サイトではテイラーの投稿から24時間で65000人が新規登録をするなど、テイラーはその影響力を見せつけている。

テイラー発言のインパクトは大きい

選挙の迫るアメリカでは、ティーンに人気の若いモデルや俳優からハリウッドの大物まで、数多くのセレブたちが投票を呼びかけるキャンペーンに参加したり、SNSでフォロワーに訴えたりして、選挙への関心を高めるのに一役買っている。アメリカの俳優やミュージシャンをSNSでフォローしている人なら、この1、2カ月で一度は「VOTE」という言葉を目にしたことがあるのではないだろうか。

テイラーの発言は、これまでの沈黙が破られたこと、保守派に人気のカントリーミュージック出身の彼女が明確に民主党支持を宣言したこと、この2点においてとりわけインパクトが大きく、国内外のメディアのヘッドラインを飾ることとなった。彼女はこの投稿の2日後に「アメリカン・ミュージック・アワード」の授賞式に登場して再度投票を呼びかけた。

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