AI時代に生き残るための「たった一つの方法」 「ホワイト」と「ブルー」カラーの区別は消える

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そのような流れに並行して、新しい技術の進歩によって経営環境が目まぐるしく変わっていく昨今では、企業が発展を続けることができる期間は確実に短くなっていく趨勢にあります。東京商工リサーチによれば、日本では2017年に8405社が倒産し、企業の平均寿命は23.5年にまで縮まってきていて、このままではいずれ20年を割り込むのも時間の問題であると予測されているのです。

その一方で、少子高齢化を緩和するために70歳まで働く時代が当たり前になることを考えれば、職業寿命は50年余りに延びていきます。これまでは1社でキャリアを完結する働き方が少なくなかったのですが、職業寿命(50年以上)が企業寿命(20年以下)の2.5倍超になることで、今後は職業寿命を1社で全うすることがますます困難になっていきます。

日本型の雇用慣行の下では、企業が社員一人ひとりのキャリアを考えてくれるため、社員が自らのキャリアについて考える必要はありませんでした。企業が社員の入社後に配属先や仕事内容を決めてくれるので、社員はその指示に従っていればよいだけであったのです。ところが、AIを中心にクラウド、ロボティクス、IoT(モノのインターネット)、VR(仮想現実)などの技術革新が企業の寿命を縮めていく環境下では、今までのような働き方やキャリア形成は通用せず、転職が前提となる社会への変革が求められるようになっていきます。すなわち、社会人になってから定期的に自分のキャリアを見直すのが常識になっていくというわけです。

AI「第2のビッグバン」で「クリエーター」と「サーバー」に

AIは2012年に深層学習というビッグバンを契機にして、恐ろしいほどの速い進化を成し遂げてきました。そして驚くべきことに、今やアメリカのシリコンバレーでは、深層学習による研究に1つの区切りをつけて、次なるビッグバンを起こそうとする段階に入ってきているといいます。すなわち、AIが身に付けた知識を応用して、「新しい知」を創造する世界にまで足を踏み入れようとしているというのです。仮に第1のビッグバンである深層学習に続いて第2のビッグバンが起こるとするならば、私たちにはまったく想像のつかない経済・社会が現れてくるのかもしれません。

現時点でAIが決してまねできないのは、企画力や発想力、創造力、共感力などといわれていますが、第2のビッグバンによるイノベーションでは、AIがそれらの領域をおおむねカバーしてしまう可能性があります。私たちのAIに関する常識を超えて、AIが人間の仕事を代替するシェアがますます高まっていくことが考えられるのです。これからの仕事は「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」という分類ではなく、「クリエーター」と「サーバー」という区別になるといわれています。クリエーターとは「プログラムのコードを書く人」、サーバーとは「サーバント(=召使い)」が転じて「決められた仕事をこなす人」という意味で使われています。

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