「実家の片付け」子が気をつけたい5つの基本 高齢者の自宅での転倒事故は意外と多い

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◆ポイント2「"片付けさせてもらう"気持ちでやりましょう」

「片付けてあげる」と押し付けて行動しがちですが、「片付けさせてもらう」というように、親の意思を尊重することを忘れずに。

<言いがちな言葉>
□「~させる」「~してあげる」という考えは捨てましょう。
□ 親の習慣を尊重しましょう。
□ 自分の価値観を押し付けないようにしましょう。
□ ゴール(目指す片付け)を共有しましょう。
□ 親を否定する言葉を避けましょう。
「年なんだから、もう使わないでしょ!」⇒「防犯上よくないから、これは片付けようか」
「この箱、邪魔!」⇒「転ばないようにこの箱はどけようね」
「こんなにたくさん、ムダでしょう!」⇒「当分は買わなくていいね」

転倒の危険がある場所から始めよう

実際に片付ける際のコツを渡部さんは次のように言います。

「最初に片付けやすいのは、"親のハート=思い入れ"が少ない場所。そしてやるべきは"命に近い=放っておくと危険度が高い"場所です。初めにたんすの中から片付ける人がいますが、物量的にも多く挫折しやすいので、難度が低い順から始めるとよいです」

まずは日常的に出入りする廊下や玄関、家じゅうの床や階段などから始めるとよいでしょう。

「玄関周りに置かれた物は災害時には避難の邪魔に。居室や寝室など床の散らかりは転倒の危険性があり、深夜にトイレに行くことも想定して動線の確保が大切です。親に片付けを嫌がられたら、地震で落ちてきたら危険だから棚の上の物をどかすね、と防災を理由にするのも手です」

それらを終えてからキッチンや寝室などに手を付けるとよいでしょう。また片付けの中で通帳や印鑑などの保管場所を確認しておくことも大切です。

「どこにあるの? と聞くと遺産目当てなど負の印象を与えてしまいます。『私はここにしまっているけれど、テレビでこうおすすめしていたの。お母さんはどうしてる?』など間接的に聞くのがよいでしょう」

実家の片付けは長期戦。一日で全部終えようとせず、今週末は寝室...と小さな目標を立て、少しずつ行いましょう。

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