「実家の片付け」子が気をつけたい5つの基本 高齢者の自宅での転倒事故は意外と多い
◆ポイント3「"親のハートから遠く、命に近い場所"から片付けましょう」
まずは放っておくと命の危険があるところ(命に近い場所)から始めましょう。親の思い入れの少ない(ハートから遠い)物や場所からだと親も抵抗感が少なく始められます。
(1)廊下・玄関・庭
片付けに親の同意の得やすい場所です。壊れた物など不要な物は撤去し、庭は草むしりや剪定をしましょう
(2)居室・寝室を含む床
直置きの物は転倒の原因になるので必ず捨てるか移動を。段ボールなどがあれば中身を確認して片付けましょう。
(3)浴室・トイレ
扉の周りに大きな物があると地震で閉じ込められる危険性もあるので注意。床の上のストック用品は移動を。
(4)棚の上
食器棚や棚の上など手の届かない場所には、ほとんど使わない物が置かれています。確認して廃棄しましょう。
(5)健康に関する物
薬や健康器具は1カ所にまとめて。薬はお薬手帳と共に保管すると探しやすい。使用期限の過ぎた薬は廃棄しましょう。
(6)旧子ども部屋
実家をトランクルーム代わりにしている人は、迷わず不要品の処分を。見本の部屋となるよう片付けをしましょう。
◆ポイント4「(1)~(6)の後、以下を順に進めましょう」
(7)キッチン
(8)リビング・寝室
(9)クローゼット・たんす
(10)書斎・本棚
(11)貴重品・重要書類
(12)アルバムなど思い出の品
捨てるか3秒以上迷ったら一時保管箱へ
◆ポイント5「渡部さん直伝! 片付けワザ」
1.両手の法則
親にぐるっと手を回してもらい、届く範囲が把握できる物の量。つり戸棚など手が届かない場所の物は廃棄を検討しましょう。
2.一時保管場所
親が捨てるべきかどうか3秒以上迷ったら、一時保管箱を作ってまとめましょう。半年後も使っていなければ処分を考えましょう。
3.わく枠大作戦
薬箱、手紙箱のように「〇〇箱」を作って分類して枠内に収めることで探しやすくします。箱の中は整頓できていなくてもOK。
渡部亜矢(わたなべ・あや)さん
神奈川県生まれ。実家片づけ整理協会代表理事。高齢化に即した「実家片づけアドバイザーR」育成講座などを行う。『カツオが磯野家を片づける日~後悔しない「親の家」片づけ入門』(SBクリエイティブ)など著書多数。
(取材・文/中沢文子)
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