Tリーグ開幕!卓球の新リーグが見せた可能性 開幕戦は、木下マイスター東京が勝利

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開幕戦第一試合で勝利した木下マイスター東京の水谷隼(左)&松平健太ペア(筆者撮影)

注目が集まった最初のゲームは、水谷&松平ペアが流れを呼び込み、11-7で1ゲーム目を奪取した。

2ゲーム目はT.T彩たまが優位に試合を進めていき、気づけば7-3と木下を大きく突き放す。

だが、水谷を中心に後陣からスーパーラリーを展開。追い上げをみせると、その後デュースにもつれこんだが、水谷&松平ペアが13-11で押し切り、圧巻のストレート勝ちを収めた。

第2試合のシングルスは、木下は大島祐哉、T.T彩たまからはエースとしての活躍が期待される吉村真晴が登場。

かつてリオ五輪の代表の座をかけて争った、ライバル対決が実現した。試合開始直後は、開幕の緊張からか、吉村がサーブミスを連発。その隙につけ込んだ大島は、得意のラリーの展開に持ち込んでいくと、12-10で第1ゲームを先取した。

吉村(奥)と大島の激しい打ち合いには観客からも歓声が上がった(筆者撮影)

第2ゲームも連続で奪取した大島が勝利に王手をかけたが、追い込まれた吉村が第3ゲームを制する。

続く第4ゲームに大島がバックハンドで攻め込み、9-5と突き放す。そこからは吉村を寄せ付けることなく、11-6で試合を決め、ライバル対決を勝利で飾った。

張本智和の登場に大歓声

そして第3試合のシングルスで、Tリーグ最大の目玉が登場した。木下に所属する日本のエース、張本智和だ。

MCより張本の名前がコールされた瞬間、待ってましたとばかりに会場からは拍手と大歓声が巻き起こった。対するT.T彩たまは、香港のエース黄鎮廷。今では数少ないペンホルダーを使用し、この戦型では“世界最強”とも名高い強敵だ。

そんな注目の一戦だったが、試合はあっという間に完結する。第1ゲーム序盤は2-5と黄にリードを許すも、張本はここから気合いを入れ直し、驚異の9連続得点。

怒涛の攻めを仕掛けて一気に11-5と第1ゲームを先取した。第2ゲームになっても、一度目が覚めた“怪物中学生”の勢いを止めることはできない。張本は得意の強打で先手を取っていくと、流れを相手に与えることなく11-7で王手。

渾身の「チョレイ」が飛び出した張本は圧倒的な強さをみせた(筆者撮影)

第3ゲームでは黄が意地を見せ5-2とリードするが、すぐさま張本に追いつかれ、その後はシーソーゲームの展開に。

白熱のゲームは9-9までもつれるが、最後は張本が11-9で勝利を収め、渾身の「チョレイ!」が飛び出した。

試合は木下が3-0で勝利をおさめたが、Tリーグは独自ルールがあり、年間順位決定方式であるため、第4試合も必ず行われる。全4試合を勝ち抜いた場合、勝利チームには勝ち点4。3-1のスコアになった場合、勝ち点3になる。

4試合目はT.T彩たまのチョン・ヨンシクが粘る水谷を退けゲームカウント3-2で勝利。チームの勝敗が決まった後の試合ではあったが、拮抗した試合であったため、この日いちばんの盛り上がりを見せていた。

水谷自身「結果として負けてしまいましたが、プレーの内容は満点」と敗戦にも手応え十分。こうして初戦の結果は木下が勝ち点3を獲得し、男子の開幕戦は幕を閉じた。

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