28年隅田川沿いに暮らすホームレスの生活 路上で暮らす男女5人それぞれの経緯と思い
女性の身で、どうやって生活しているのか。
「氷結(酎ハイ)とパンを友人にもらって食べています。年金が月に8万円なので、それで生活していますが、夜はこうして野宿。横になって寝ていると、知らない人に声をかけられたり、駅の係の人に起こされたりするので、横にならずにイスに座ったまま寝ているの。それでも女性ひとりなので、ここはやはり物騒で怖い」(ブラウンさん)
一見、“普通の顔”をした少年が…
2012年1月、この八重洲口近くのビル壁面のくぼみで寝ていた別の女性ホームレス(当時69)が18歳の少年に火をつけられ、大ヤケドを負う事件が起きている。少年は「慌てる反応を見るのが楽しかった」と話した。女性ホームレスは珍しいため、周囲の男性ホームレスは目で追うなど気にかけていたという。悪さをしたのは、一見、“普通の顔”をした少年だった。
都内の福祉関係者は言う。
「まじめそうなサラリーマンでも、酔っぱらってツバをかけたり、平気で物を投げつけたりする。加えて女性ホームレスには、夜間に性的いたずらをされる恐怖がある」
八重洲口一帯には巨大な地下街が広がっている。地上からの出入り口は多く、深夜1時が近づくと、そこにはシャッターが下りる。地上から下りた階段の先と、シャッターの間に、雨露を防げる格好の空間ができあがる。
皇居外苑や日比谷公園に昼間いたホームレスがそこに移動してきて一夜を明かす場所と化す。東京駅近くでは1つの出入り口に1人ずつ6人ほどが眠りについていた。
(文:フリーライター山嵜信明と週刊女性取材班)
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