「ありえない」という言葉に釣られる人の暗愚 ネットの炎上やデマに巻き込まれていませんか
④ あおり部分を排除して冷静に読む
インターネットでは発言が必要以上に過激になってしまうことがあります。
たとえば、ツイッターで炎上している発言には、「男って、どうしてここまで気がきかないん? こっちがどんだけ尽くしてやってるか、全然気づいてないっていうね。夕食要らないって電話しただけで、オレえらいって思ってんの、マジ3歳児。この残った夕食はどうしたら良いか教えてほしいなぁ?」というような攻撃的な口調のものもあります。こういうものを目にすると、「男全員をひとくくりにするな! あんたの夫の問題だ!」などと反論したくなるかもしれません。
しかし、そうやって書き込む前に、いったん「あおり部分の排除」を意識して読んでみてください。挑発的な部分を省くと、先ほどの投稿も、「急に夕食は要らないと言われたら迷惑なので、自分の夫にはやめてほしい」です。問題提起としては案外、妥当な内容なのです。そうやって冷静に読んでみることで、必要以上のケンカを避けることができるでしょう。もちろん、自分が投稿する場合にも、余計なあおりを入れないよう注意する必要があります。
「結論ありき」で書いている人もいる
⑤ 論理の飛躍を見逃さない
結論ありきで書かれた文章があります。前提から丁寧に議論を積み重ねたのではなく、最初から意見は決まっていたというパターンです。自分の主張を何とかそれらしい文章にするため、後付けで強引に理屈を組み立てているだけだと、論理が飛んでしまう箇所が出てきます。
たとえば、「ヨーロッパ諸国では大学教育が無償だ。だから、日本も無償にすべきだ」という主張があります。一見もっともそうな話ですが、必ずしもそうではありません。
ヨーロッパと日本では、大学教育の歴史も、社会における大学の役割や位置づけも、受験や就職の仕組みも異なっています。ですから、ヨーロッパの例を日本に当てはめるのが妥当かどうかはそう簡単に言い切れることではないのです。「○○では」と言うのであれば、その事例は本当に自分たちにも当てはまるのか、その事例で課題は生じていないのか、などを十分に論証しなくてはなりません。それ抜きでは、どんなに先進事例を振りかざしても片手落ちなのです。
安易に炎上に荷担したり、デマを拡散したりしているのが露呈すると、社会的信用を失うおそれもあります。読解力を身に付けることで無用なトラブルを避け、インターネットから正確に情報を得られるようにしましょう。
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