勉強に効く!受験戦争に負けない健康食事法 甲子園優勝校の食育担当が伝授する「勉強飯」

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ピーマンにはビタミンCが豊富に含まれている(写真:PIXTA/MIKO)

特に鉄分が不足すると、持久力やスタミナがなくなり疲れやすくなるスポーツ貧血という問題が起こることにも気をつけなければならない。したがって、貧血を予防・改善するためには、鉄が多く含まれる食品の摂取(レバー・あさり・牛肉・マグロなど)はもちろんのこと、鉄分の吸収をアップしてくれるビタミンC(かんきつ類・野菜など)が多く含まれる食品と組み合わせて食べるよう指導している。

試合で力を発揮するためには、日常の身体づくりが基本になる。そこで、日頃の食事の調整がとても大切だ。アスリートにとって栄養(食事)とトレーニング(運動)のバランスが崩れると、怪我や故障の原因となるからである。良いパフォーマンスのためには、3度の食事の他に補食をオススメする。

補食とは、朝・昼・夕の3食だけでは摂取しきれないエネルギーと栄養素を満たすための食事のことを言う。運動前や運動後、適した時間と内容の補食を摂取することが重要になる。運動前にはグリコーゲンの原料である炭水化物を、運動後はできるだけ早いうち(30~1時間以内)に炭水化物とタンパク質を摂ることが理想だ。

バランスのいい食事をとって受験に備えよう

筆者が勤める花咲徳栄高校。1982年開校。普通科・食育実践科あわせて2万人を超える卒業生を輩出し、文化、教育、芸術、スポーツ、調理など、世界を舞台に活躍している(写真:花咲徳栄高校)

運動中の主なエネルギー源は、血中のグルコース(血糖)と筋肉・肝臓に貯蔵されているグリコーゲン。これらが不足すると空腹感・疲労感を起こしやすく、集中力が落ちるなどパフォーマンス低下の一因となり、運動時の体タンパク質の分解も多くなる。しかし、運動後、すみやかに炭水化物を摂取すると、何も摂取しなかった場合より運動後の筋タンパク質の分解が少ないことがわかっている。

「試合に負けない=良いパフォーマンス」のためには、トレーニングの内容だけでなく、栄養面をしっかり考えた食事の摂取が、最強のパフォーマンスにつながるということになる。それは勉強でも同じことだ。

受験生の皆さんには、ぜひバランスのいい食事を心掛けてもらい、勉強を頑張ってほしい。そして、受験生の親御さんは、お子さんが少しでも勉強に集中できるよう、バランスのいい食事を提供してあげてほしい。

會田 友紀 花咲徳栄高等学校教諭

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あいだ ゆき / Yuki Aida

2018年現在、花咲徳栄高等学校勤務20年目(食育実践科を担当)。東京家政大学家政学部栄養学科、昭和女子大学大学院生活機構研究科人間教育学専攻。2014年から3年間、文部科学省事業「スーパー食育スクール」の指定を受け、「食とスポーツ」をテーマに様々な取り組みを実施。2017年度は文部科学省事業「つながる食育推進事業」モデル校となり、継続した4年間のアンケート調査や骨密度とヘモグロビン計測のデータ(全校生徒約1750名分)をもとに分析を行い、食育の効果を多角的に検証。高等学校の現場で継続した食育活動を展開。

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