勉強に効く!受験戦争に負けない健康食事法 甲子園優勝校の食育担当が伝授する「勉強飯」

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本校には普通科とは別に食育実践科があり、筆者はそこで教えている。普通科は近年進学校として実績を上げ、食育実践科も食育指導の推進母体となって、調理師養成施設校として食育のリーダーを育成している。

実は、本校独自の取り組みであるスタメシは、食育実践科の生徒が献立を考案し、教員が修正を加える形で作っている。生徒たちは献立を考えるに当たり、栄養価計算も行い、エネルギー量は1000~1200キロカロリー、カルシウム量、鉄分量も1日に必要な3分の一から2分の一を目安にしている。

食育実践科の生徒が校内インターンシップとして、本校にある集団給食施設において、毎回150~170程度の食事を、冷凍食品を使わずに一から手作りしている。旬の食材や生の果物を使うことも心掛けている。

学校全体で食育に着目した取り組みが功を奏してか、硬式野球部が4年連続夏の甲子園出場、2017年は全国制覇を達成できた。また、レスリングや空手道、女子サッカーや女子硬式野球など、全国大会に出場する部活動も多い。

本番に負けない「アスメシ」

アスメシの一例:手前左から時計回りの順で、▼焼きうどん▼ツナサラダ巻き&がんも煮▼ピーマンの肉詰め焼き&ゴボウサラダ&生野菜▼玉子豆腐▼キウイフルーツ▼若竹汁(筆者撮影)

「勝つための体づくり」を目指す運動部員に対しては、アスリートメシ(略称:アスメシ)を推奨している。これも生徒たちと一緒に作っている。NHKの番組「サラメシ」からヒントを得て、アスリートメシを短縮し「アスメシ」と命名した。そのコンセプトは、アスリートに必要な高タンパク質、カルシウム、鉄分の強化にある。

アスメシ:ツナサラダ巻き(筆者撮影)。酢飯を使用しているので、酢に含まれるクエン酸は疲労回復効果がある。冷めたご飯にはレジスタントスターチ(大腸に届くでんぷん)が含まれていて、食物繊維と同じ働きをする

アスメシの目的もスタメシと同様、バランスの良い食事(主食・主菜・副菜・汁物・乳製品・果物)を意識させることにある。体格や運動量の違いによって、この一食だけでは足りない生徒もいる。偏りのない理想的なバランスを理解させ、自分に足りない物を自分で補えるようになることを期待している。

かつてスポーツ界では、日頃から昼食に米3合を食べる「三合飯」というものが流行った。もちろん、炭水化物はエネルギー源となる大事な栄養素であり、否定するものではない。ただ、あくまで他の栄養素にも注目し、バランスよく食べることに重点をおく必要がある。

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