アンダーアーマーが卓球新リーグで狙う勝機 ドーム・安田秀一CEOが分析する卓球の可能性

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「日本のスポーツって、大学生でも社会人でもそうなんですけど、お化粧しちゃダメとか、髪型はちゃんとしないとダメとか制約が厳しいじゃないですか。

安田 秀一(やすだ・しゅういち)/株式会社ドーム取締役会長 代表取締役 CEO。1969年東京生まれ。法政二高入学後にアメフトを始め法政大学進学後はアメフト部主将。三菱商事を経て1996年株式会社ドームを創業。1998年にアメリカのスポーツアパレルブランド「アンダーアーマー」と総販売代理店契約を締結している(撮影:尾形文繁)

加えて『練習に集中しろ』なんて言われちゃって。髪型と練習全然関係ないじゃん!って思ってしまうんですよ(笑)。

それに関しては、女子ゴルフのトップ選手はみんなこう言うんです。

『髪型や化粧がきれいにキマッていないとプレーに集中できません』って。要するに、スポーツ選手である前に人間であり、女性なんですよ。

だから化粧は自由にできて、服も自分でコーディネートできる女子ゴルフは、日本でいちばん成功しているスポーツなんです。

アメリカやヨーロッパなどは、女性に限定するとみんな髪型はロングでポニーテール。逆に日本はほとんどの選手がショートヘアなんです。海外のスポーツは基本的に『オシャレを楽しむ』っていうスタイルを取り入れていて、選手が楽しくできているから、プレーでも集中力を発揮できているっていうのはあると思いますよ。

そもそもの文化が違うというのはありますが、女性としてのあり方についてもちゃんと引き立ててあげないと、競技力は高くはならないと思います」(安田氏)

卓球市場の可能性は無限大にある

ドームはアンダーアーマー以外にも「DNS」、「ドームスポーツメディカル」、「ドームアスリートハウス」という3つの事業がある。それぞれサプリメントやメディカル商品の開発・販売、トレーニングノウハウの提供を主としており、アスリートを直接サポートするためには欠かせない事業だ。

ドームには本社内にもトレーニング施設がある(撮影:尾形文繁)

Tリーグに関しては、具体的な活動としてはユニフォームを供給することだけだが、そういった他事業をTリーグに取り組むことについても今後は積極的に提案していくという。

「卓球というスポーツは一種の閉鎖的な世界。どこか卓球の世界の中だけで完結しているような感じがしていました。

潜在需要を掘り起こして、顕在化させてあげたいと考えています。いろんなスポーツと一緒に仕事をして、多くの知識があるので、従来の卓球にはない新しい血を入れてあげることが、私たちがいちばん求められている役割であり、松下さんの希望でもあります」(安田氏)

まだ開幕をしていない新しいリーグであるため、“完全に未知数”なのは当たり前。それでも卓球市場の可能性は無限大にある。Tリーグの誕生により卓球人口の大幅な増加も見込めるのだ(『卓球「Tリーグ開幕」に漂う大ブームの予感』(2017年12月25日配信))。

そして、ドームがこれまで蓄積してきたさまざまな分野のノウハウを吸収し、リーグ発展に活かすことができれば、日本卓球界の未来はきっと明るい。

安田氏も「Tリーグがスポーツ産業の価値づくりの柱となるようにお手伝いしていきたい」と盛り上げるために尽力する構えだ。

松下氏とタッグを組み、日本の新しい卓球のリーグとしてどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

そして、日本スポーツ界にどんな変革をもたらしてくれるのか。日本卓球界にとっての歴史的瞬間は目前に迫っている。

佐藤 主祥 フリーライター

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さとう かずよし / Kazuyoshi Sato

1991年、宮城県生まれ。新聞の専売社員、マスコミ系の専門学校を経て、独立。スポーツや新しい働き方を中心に、取材・執筆活動を続けている。学生時代は卓球部に6年間所属し、団体戦・個人戦で県大会出場を経験。野球を観ながらお酒を飲むことが何よりの喜び。

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