プロ野球観戦「有料LV」にファンが集まるワケ ライブビューイングが球団の新しい収益源に

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料金は限定ユニホーム付きで、有料ファンクラブ会員が3500円、無料会員と一般が3700円。地元に私設応援団がある会場では、私設応援団も参加、会場を盛り上げた。

会場の確保や映像配信はライブ・ビューイング・ジャパン社に委託した。同社はチケットが入手困難なアーティストのコンサートのLVを手掛けている。

好成績だった要因について球団側は「球団創設80周年記念の一環であること、鷹の祭典の初日1日限りであることで、特別感を出せたこと」だと分析している。

また、映画は一度始まったら終わるまで観客は出てこないが、野球はイニングが変わる都度ロビーに出てきて飲食もする。このため「TOHOシネマズさんには感謝をされた」ともいう。

クリアしなければならなかった課題が他の11球団からの了承である。プロ野球12球団は、それぞれに本拠地を置く都道府県に、プロ野球関連行事の独占権である「地域保護権」を持っている。

ソフトバンクの保護地域は福岡県なので、福岡県以外の会場のうち、他の11球団が本拠地を置く都道府県での上映には、その球団の了承が必要だった。「全球団から了承を得られたのは、47都道府県すべてだったからで、これが東京だけ、大都市圏だけとかであれば、了承を得ることは難しかったのではないかと考えている」(球団広報)という。

球界初の有料ビジターライブビューイングも実施

注目すべきはベイスターズが9月11~13日の対広島戦で実施したビジターLV。敵地マツダスタジアムでの開催ゲームのLVをハマスタで実施した。

ハマスタで行われたビジターLVの様子(筆者撮影)

リーグ優勝がかかったゲームや、クライマックスシリーズ、日本シリーズなどでは、敵地で行われているビジターゲームの無料パブリックビューイングは今や珍しくなくなっている。

だが、通常のペナントレース中のビジターゲームの有料LVを、ホームグラウンドで実施した例はおそらくない。

ユニホームやTシャツ、グッズの配布はなく、料金はBOXシートのみ1000円で、他の席は一律500円。使った映像はCS放送のJ SPORTS1で受信した映像。制作がテレビ新広島なので、当然解説・実況はカープ寄り。

このため、イニング間に挟まるCMの時間帯は場内映像に切り替え、普段ハマスタでのホームゲームで実施しているイニング間のミニイベント、花火を使った勝利時のセレモニーもすべて実施。9回裏の山崎康晃選手登場の場面では、現地では流れない登場曲のケルンクラフト400も流した。

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