「金融」の語源は笑えるほどシュールだった

雑談でしたらカッコいい?金融英語の語源

M&A

M&A は言うまでもなく「merger and acquisition(吸収合併)」の略です。merger は「企業の吸収合併、合同」をいいますが、元は動詞「merge(合併する、同化させる)」から出た名詞で、この merge はラテン語の動詞「mergere(浸す)」にさかのぼります。この動詞は例によって接頭辞がついた派生語を生み出しています。

「in-(中へ)」がついた動詞は「immerge(飛び込む、沈む)」ですが、この系統では別の語幹から作られた 「immerse(浸す、沈める)」の方が有名です。の反対が「ex-(外へ)」がついてできた「emerge」。こちらは「水中から出てくる」というのですから「浮かびあがる」「明らかになる」という意味です。この名詞形が「emergency exit(非常出口)で有名な 「emergency(緊急事態)」です。

獲得することとは、求めること

このほか、「sub-(下へ)」がついてできた「submerge(水中に沈める、覆い隠す)」もあります。あまり覚えたくはありませんが、「I’m submerged in debt.」というと、いわゆる「借金で首がまわらない」という意味です。

さて、acquisition の方ですが、これは「取得、獲得」という意味です。この言葉は「acquire(獲得する)」という動詞の名詞形ですが、名詞としては「acquirement」の方がよく知られているかもしれません。こちらもほぼ同じ「取得、獲得」という意味ですが、主に学問的、精神的なものを対象にしたときに使われます。それでも、「言語の習得」というときには acquisition の方を使いますが。形容詞「acquisitive(取得しようとする)」もよく見かけます。

さて、この acquire という動詞は、ラテン語の前置詞 ad- に「quire(求める)」という動詞がついたのですが、この元の動詞は英語で query という語になって伝わっています。動詞としても名詞としても用いられ、それぞれ「尋ねる」「質問」といった意味ですが、その形容詞 querulous は「不満の多い」という意味で、「quarrel(けんか、口論)」という語を生みました。「quarrelsome(けんか好きの)」という形容詞もよく使いますね。

この quire に接頭辞「in-(中へ)」がつくと「inquire(聞く、尋ねる)」に。そして、その名詞形 が「inquiry(探究、調査)」、形容詞が「inquisitive(詮索好きの)」となります。「公の調査、尋問」を意味する「inquisition」という名詞も並存します。

また、接頭辞「re-(再度)」がついた「require(必要とする、要求する)」は多くの重要な語を生み出しています。3つの名詞「request(依頼、要望)」「requirement(必要条件、必需品)」「requisition(要求)」はそれなりによく使う語ですし、形容詞の「requisite(必須の、不可欠の)」も重要なボキャブラリーです。接頭辞「con-(ともに)」がquere と接合すると、「conquer(征服する)」になり、その名詞形 が「conquest(征服)」です。という語になっています。

ひとつ忘れるところでしたが、おいしいものを食べたときによく言う「exquisite」という語は「十分に探し求められた」から「絶妙な」となり、「非常に見事な、完璧な」といった意味に変化したのでした。

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