最も減少率が大きかったのは八洲電機の67.0%(小数点1位で切り捨て、以下同)。同社はプラントシステムや産業機器などを中心に取り扱う商社だ。2位で減少率53.7%の協和エクシオは通信インフラを主軸に、環境関連インフラなどの構築も手掛けている。
3位は国際石油開発帝石で減少率は46.6%。15年12月に「気候変動対応の基本方針」を発表(2018年7月改定)している同社では、石油や天然ガスの生産活動における自社の取り組みを強化するとともに、需要サイドである社会に対してエネルギー利用の効率化などの働きかけのほか、森林保全や植林などの活動も進めている。また、排出されたCO2を回収し地中に貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)の実証試験の取り組みにも参画している。
排出量の大きな電力会社では、四国電力が16位(削減率21.0%)にランクインしている。同社の排出量の推移を見ると、2010年度には950万トンだったが、2011年度には1380万トン、2012年度には1798万トン、2013年度には1922万トンまで増加している。これは、伊方原子力発電所の運転停止に伴い、火力発電の比率が高まったことが影響している。2010年度には36%だった石炭火力発電の比率が13年度には56%まで高まった。
しかし、2016年8月に伊方原発3号機が再稼動し、2016年度の発電量の15%を原子力発電で賄えた結果、石炭火力発電の比率も48%まで低下。この結果、温室効果ガス排出量は15年度の1723万トンから、1361万トンへと減少した。
46位の九州電力が削減率10.2%で、ここまでが前年度比で1割以上温室効果ガスを削減した企業となる。
約6割の企業が「減少」に成功
日本企業は、今日までさまざまな工夫や努力を積み重ねて、温室効果ガスの排出量削減に努めてきた。これらはすべて、本来の事業を遂行するのと並行して行われているもので、温室効果ガス排出量の削減それのみを目標としているものではない。したがって、さまざまな取り組みを行っていても、事業活動の増加や外的な要因によって排出量が増えてしまうこともあろう。
実際、減少率のランキング対象となった570社のうち前年度比で減少したのが325社、変わらずが4社で、逆に増加した企業は251社あった。ちなみに570社の排出量合計は0.3%増加している。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら