財務面から企業の真の力を探る「新・企業力ランキング」は今回で13回目。成長性、収益性、安全性、規模の4つのカテゴリーで、それぞれの財務指標(3年平均)を多変量解析の「主成分分析」で相対評価。各得点を合計して作成した。
ランキング対象は2018年9月1日時点で上場している一般事業会社(銀行、証券・先物、保険、その他金融は除く)のうち主成分分析用の財務データが取得可能な3480社だ。今回は、この中から上位300社を紹介する。
なお上位2000社は2019年4月発売予定の『CSR企業白書』2019年版に掲載する。また、前回のランキングは『CSR企業白書』2018年版を参考にしていただきたい。
1位は2年連続でヤフー
ランキング1位は2年連続でヤフー。第10回、11回の富士重工業(現:SUBARU)に続き、5社目の2連覇となった。総合得点は3769点。各部門の得点は成長性966点、収益性803点、安全性1000点、規模1000点といずれも高得点となった。
アスクル子会社化などでEC(電子商取引)事業を拡大。2018年3月期の売上高は8971億円で2015年3月期4284億円から倍増するなど、成長性得点は昨年の931点から35点アップとなった。
一方で売上高営業利益率、ROE、ROAなどの指標は低下し、収益性得点(803点)は2016年(第10回)928点、2017年(第11回)879点、2018年(第12回)835点と年々ダウン。有利子負債も増加し、自己資本比率は2017年3月期の60.7%から2018年3月期には40.3%まで低下した。
本評価は3年平均の値を使用しているため、指標悪化は徐々に影響が出てくる。そのため今回1000点の安全性得点は来年以降、大きく下がることが予想される。3年連続トップは厳しそうな状況になってきた。
2位は昨年8位から上昇した東京エレクトロン(3744点)。半導体製造装置で世界3位の同社は世界的な半導体需要拡大で2018年3月期の売上高は1兆1307億円と昨年7997億円から41.4%アップ。当期利益も1152億円から2043億円と77.4%増で、成長性得点は831点から915点に上昇した。
ROEも2016年3月期13.9%から2018年3月期には26.6%に倍増し収益性得点も829点まで向上。もともと高い安全性1000点、規模1000点と合わせて2位まで浮上した。2019年3月期も増収増益の見込みで初の1位も見えてきた。
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