これだけを見ると、若者、そして女性も、しっかり飲んでいる。しかし、彼らはどんなところで飲んでいるのか。そのヒントになる現場を、大阪に見に行ってきた。
大阪・梅田のデパートは酒飲み天国
新しい「ちょい飲みスポット」として筆者が注目しているのが、デパ地下やスーパーだ。
これらの業種ではリニューアルの際にイートインスペースを拡張するところが増えている。なかでも熱い競争が勃発しているのが大阪・梅田駅周辺のデパ地下だ。
まずは大阪駅直結の商業施設「ルクア大阪」。2018年4月に地下2階に“次世代型の新しい食のエリア”「LUCUA FOOD HALL」(ルクアフードホール)をオープンした。うち「キッチン&マーケット」はイートインスペースを含む7つのエリアで構成され、ピザにローストビーフ、寿司などの海鮮やサラダ、また弁当や総菜もそろっている。それぞれの販売エリアにイートインもあるが、中央スペースに、ビールなどアルコールがオーダーできる「ミート&イートスクエア」があり、他のエリアで購入したデリやお弁当を持ち込んで、ちょい飲みを楽しむことができるのだ。
「地ビール飲み比べセット」(1080円)に惹かれたのだが、あまりの盛況ぶりにオーダーを断念したほどだ。デリコーナーには300~500円程度で買える惣菜もあり、それらを購入して軽くビールをいただけば安上がりな晩酌になるだろう。夕方にはワインのボトルを囲んで女子会をしているグループもいた。
同じようなスペースは、阪急うめだ本店にもあった。地下2階の「ワールドフードマーケット」は、ルクアよりは小規模だが、やはりワインやビールを楽しめるイートインスペースを設置。デパ地下で購入したお酒や食品をその場で楽しめるほか、グラスワインやクラフトビールをオーダーできるカウンターもある。筆者が訪れたのは日曜の昼だったが、そこで買った寿司をつまみに缶ビールを飲んでいるご夫婦も見かけた。
面白いのは、客層の違い。ルクアはOLやカップルといったイメージで、阪急はやや年齢が上のマダムたちや年配の夫婦。しかし、どちらもがっつり飲んでいる。
しかし、こんなものではなかった。先述のルクアには、さらにのんべいが押しかける「バルチカ」というスペースがある。先の「フードホール」とフロア続きだが、こちらに27ものミニ飲食店が並んでいて、24時まで営業中だ。たこ焼き、串カツ、お好み焼きといった大阪ソウルフードの粉もんから、ビストロや立ち飲み居酒屋、1人焼肉まで多種多様。ビールとのセットメニューを提供している店も多い。
バルという名称からもわかるように、「お酒が気軽に楽しめる」というコンセプトのエリアで、気取りがないのがいいではないか。手元の資料では、夜の予算は2000~3000円程度の店が多いうえに、若いカップルやグループが多く、女性1人で飲んでいても違和感がないのもありがたい。大阪出張のビジネスパーソンは、下手に店を探してさまようより、ここで事足りると断言してもいいだろう。
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