ブーム化する「ちょい飲みの現場」を見に行く 大阪・梅田のデパートは酒飲み天国

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店側にとっても、つまみに惣菜を買ってくれれば廃棄量も減るし、ついでに他の買い物をしてくれる相乗効果も見込めるだろう。どちらにとっても、メリットが大きいのだ。

テイスティング的に飲むなら各地のアンテナショップ

販売しているお酒がちょい飲みで試せるという意味では、各県のアンテナショップも面白い。たとえば、三越前駅にある「日本橋とやま館」にあるトヤマバーでは、富山県の酒蔵の地酒を楽しむことができる。1銘柄がグラス1杯(90ml)700円のほか、3種飲み比べセット(各30ml)700円も。つまみは300~500円程度で用意されている。気に入った酒は、ショップで取り扱いがあれば買って帰ることができるので、ちょい飲みというよりもテイスティングの場だろうか。木目のカウンターがすがすがしく、女性が1人で立ち寄っても違和感がない。

銀座駅にある長野のアンテナショップ「銀座NAGANO」にも、入ってすぐのスペースにバルカウンターがある。長野産のグラスワインや日本酒をその場で楽しむことができ、いつも盛況だ。観察していると、アンテナショップでお酒をたしなんでいるのは女性客が多く、1人客も少なくない。先の「日本人の飲酒動向調査」には、こんな記述もあった。20代は決まった銘柄を指定買いするより、新しいお酒へのチャレンジ意向が高めなのだとか。日本酒やワインをボトルで買うより、お試しできる飲み方は若い世代にも合っているのかもしれない。

以前、シングル層の男女にお金の悩みを聞いたことがある。その際、口をそろえて「飲み代がかかるので、なかなかお金が貯まらない」と語ったのが印象的だった。リクルートライフスタイルの調査でも、1人夕食(外食)の市場規模はこの5年の間で約1.2倍に拡大したとある。さまざまな形態のちょい飲みスペースが増えてくれれば、そうした悩めるシングルたちの一助になるのではないか。

筆者もそうだが、お酒は好きだが節約も大事、と考える層に向け、これまでの飲食業態にとらわれないリーズナブルな「ちょい飲み場」がもっと増えてくれると大変ありがたい。おいしいお酒とおいしいつまみを、さっと飲んで、さっと切り上げる――そういうきれいな飲み方ができる大人になりたいものだ。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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