わが子の自殺を止めるために親ができること 「親子間コミュ障」に陥ってはならない
筆者が中学生のとき、初めて付き合った男子と数回電話した。携帯電話が当たり前の世代には信じられないかもしれないが、電話口に最初に出るのは互いの家族だった。筆者に受話器を譲った後、家族がニヤつく視線が気になり、受話器の向こう側の相手とは大した話はできなかった。当時は、「電話とはそういうもの」と思っていた。
現在は、子どもも携帯電話を所持するようになってきているので、昔とは状況がかなり変わっていると思う。筆者の子どもたちはまだ小さいのでスマートフォンなどは持たせていない。
でも、小学生以降になると、子どもたちだけで出歩くことも増えたり少し遠方の習い事を始めたりするタイミングで、携帯を持たせるようになるご家庭も多い。
そんな時代だからなのか、小・中学校や高校では現在、子どもの相談窓口を家庭に向けて案内している。そして意外なことに、同社の相談員・星野大輔さんによると、子ども相談窓口の利用者は子どもよりも保護者のほうが多いのだという。
「親を心配させたくない」
とりわけ、「最近子どもが言うことを聞かない」という、親子の関係性についての悩みが多いそうだ。具体的には、「昔は何でも言うことを聞いていた素直な子だったのに、最近、言うことを聞かなくなった。どうしたらいいか?」などの相談である。
もちろん、個々の相談内容の詳細は千差万別であるものの、保護者の相談内容を大きなジャンルでカテゴライズすると、ほとんどが「子どもの反抗期問題」だというのだ。
一方、子どもは誰にも相談できない悩みを抱え、窓口を頼ってきている。そして、大多数の子どもが「この悩みは親には言えない」と言い、親に言えない理由は、「親を心配させたくないから」がほとんどなのだという。
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